夜とあなたとあたしの匂い?
あたしは大事にされていた。多分大事にされていたと思う。
あなたに出会って半年、1年、と時間が過ぎていった。2人とも夏生まれで、お互いの誕生日を祝ったり、あたしの20歳初のお酒解禁に祝杯をあげたりした。6つ年上のあなたを「おじさん」と言ってからかうと、
「俺も四捨五入したら三十路だよ。男は30からだからなぁ。俺はいい男になるぞぉ。佳世は幸せ者だなぁ。」なんて、あたしの頭を軽くポンと叩いたりした。
誕生日以外でも、特別な日じゃなくても、あなたはあたしの隣に居た。あたしを側においてくれた。頻繁に会える訳ではなかったけれど、クラスメート以外で一番一緒の時間を過ごした人だろう。
でもあたしはあなたの彼女じゃない。それは嘘のような真実だった。あたしが作った真実だった。
あなたがたった1回だけ、「好きだ」と言ったあの夜。
春の匂いに包まれた夜だった。
あなたに出会って半年、1年、と時間が過ぎていった。2人とも夏生まれで、お互いの誕生日を祝ったり、あたしの20歳初のお酒解禁に祝杯をあげたりした。6つ年上のあなたを「おじさん」と言ってからかうと、
「俺も四捨五入したら三十路だよ。男は30からだからなぁ。俺はいい男になるぞぉ。佳世は幸せ者だなぁ。」なんて、あたしの頭を軽くポンと叩いたりした。
誕生日以外でも、特別な日じゃなくても、あなたはあたしの隣に居た。あたしを側においてくれた。頻繁に会える訳ではなかったけれど、クラスメート以外で一番一緒の時間を過ごした人だろう。
でもあたしはあなたの彼女じゃない。それは嘘のような真実だった。あたしが作った真実だった。
あなたがたった1回だけ、「好きだ」と言ったあの夜。
春の匂いに包まれた夜だった。
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