女子高校生版徒然草
徒然なるままに私の毎日を振り返る。一女子高生の私が毎日思ったことを綴りだす。
走り出したい感覚に陥る。自分はたくさんの誰かといたはずなのに、ほどけた靴紐を結んで頭をあげるとそこには誰もいなくて、真っ白い紙の上の句読点になった気分だ。あたしは急いていた。色々なことを体験してみたくて、触れてみたくて、なぜか全力疾走しなきゃいけない気がしていた。
「文弥、つきあって。」
別に文弥のことは好きじゃなかった。というか、嫌いの域にはいった。クラスの中でこの人とこの人には処女をあげていいって人を選ぼうとすると、必ず初めのほうに抜くようなやつだった。文弥は黒く日焼けした顔を間抜けにしたまま、口をあけていた。
「付き合って、文弥。」
なぜか倒置法であたしは追い撃ちをかける。文弥は急に顔を赤くして、うんとうなづいた。そういうとこもなんか苦手。
あたしは顔もさして可愛くないし、運動も勉強もできない。しかも処女。友達と上手くコミュニケーションがとれない。というか空気が読めない(エアーリーディングってやつよ)。得意なこともひとつもないし、趣味も読書っていう超地味女。映画見るのも好きだったけど、金かかるし。家、中流家庭だからね。中学受験したせいか馬鹿食いで勉強ばっかしてて、でもやせらんなくて今でも大根足だしね。嫌いな人間も多いし、サトラレになったら超マズイタイプ。てかサトラレて平気なやつなんかいねぇだろ、とかすぐ思っちゃう心狭くて他人が許せないタイプ。そのくせ王子様願望あって、電車ん中とかで期待してる馬鹿はあたしですよ。でもそんなのって叶うわけないって悟ったわけ。世間はブリッコでノリのいい元気系☆ってやつが好きなのよ。あたしにそれは無理。けど彼氏ほしいし。てかHしてみたいし。だったら自分からストライクゾーンを広げにいくべきなわけでしょ。と思い文弥に告ったのよ。
「よろしくな、瀬尾」
申し遅れましたが、あたしは瀬尾です。
「菜緒でいいし、」
瀬尾菜緒です。実は。
走り出したい感覚に陥る。自分はたくさんの誰かといたはずなのに、ほどけた靴紐を結んで頭をあげるとそこには誰もいなくて、真っ白い紙の上の句読点になった気分だ。あたしは急いていた。色々なことを体験してみたくて、触れてみたくて、なぜか全力疾走しなきゃいけない気がしていた。
「文弥、つきあって。」
別に文弥のことは好きじゃなかった。というか、嫌いの域にはいった。クラスの中でこの人とこの人には処女をあげていいって人を選ぼうとすると、必ず初めのほうに抜くようなやつだった。文弥は黒く日焼けした顔を間抜けにしたまま、口をあけていた。
「付き合って、文弥。」
なぜか倒置法であたしは追い撃ちをかける。文弥は急に顔を赤くして、うんとうなづいた。そういうとこもなんか苦手。
あたしは顔もさして可愛くないし、運動も勉強もできない。しかも処女。友達と上手くコミュニケーションがとれない。というか空気が読めない(エアーリーディングってやつよ)。得意なこともひとつもないし、趣味も読書っていう超地味女。映画見るのも好きだったけど、金かかるし。家、中流家庭だからね。中学受験したせいか馬鹿食いで勉強ばっかしてて、でもやせらんなくて今でも大根足だしね。嫌いな人間も多いし、サトラレになったら超マズイタイプ。てかサトラレて平気なやつなんかいねぇだろ、とかすぐ思っちゃう心狭くて他人が許せないタイプ。そのくせ王子様願望あって、電車ん中とかで期待してる馬鹿はあたしですよ。でもそんなのって叶うわけないって悟ったわけ。世間はブリッコでノリのいい元気系☆ってやつが好きなのよ。あたしにそれは無理。けど彼氏ほしいし。てかHしてみたいし。だったら自分からストライクゾーンを広げにいくべきなわけでしょ。と思い文弥に告ったのよ。
「よろしくな、瀬尾」
申し遅れましたが、あたしは瀬尾です。
「菜緒でいいし、」
瀬尾菜緒です。実は。
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