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夕暮れの日に〜機械の町 その3〜

[321]  グレイブ  2007-06-06投稿
驚くほど安い料金を払い、店をあとにした。

ラトはさっきから口をきいてくれない。


「ごめんね、ラト。」

返事はない。


ここで俺の本心が暴発する。


「あのね、ラトが可愛くてさ・・つい。・・・ごめん」


横を見ると「あきれた」
と言いたそうなラトの横顔があった。それでもさっきよりは表情が柔らかい。


まずい。

またここで何かやったりしたら、二度と口をきいてくれないかもしれない。

そっと、その頭を撫でる。

少し驚いた様子だったけど、気持ち良さそうに、目を細める。


よかった。

いつもラトが怒るときは僕が悪いんだけど。

そのまま歩いていくと、
少し広い所にでる。





「ねぇ、トト・・・」

「うん。」



微かに、でもはっきりと、「ソレ」は僕たちの鼻を突く。


火薬の匂い




ーーカチンッ


並の人間には聞き取れ無いようなこの音を合図に、僕とラトはそれぞれ左右に飛びのいた。



一瞬の閃光と衝撃音が、僕がさっきまでいた地面をえぐる。

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