らぶふぁんとむ6
珠希が同居する事になった翌日。日曜日。
恵一は床に敷いた布団の中で目を覚ます。
時刻は午前9時。
(まだ寝てていい時間だな。)
そう決めて、寝返りを打つと目の前に珠希の寝顔。
何というデジャヴ。
「だあぁぁぁ!?」
「答えろ、なんでわざわざ同じ布団で寝る?」
珠希をなんとか起こして正座させ、問詰める。
幽霊を起こすには声を掛け続けるしかない。恵一は初めに珠希の頭をすり抜けて枕を叩いた事で実感した。
「いや…それは、不可抗力というものでして。」
寝ぼけた様子で珠希は答える。
「幽霊が寝ぼけるな!ってか睡眠必要か!」
「三大欲求は生きてる証拠なんです!」
「何も食ってないだろが!」
幽霊になった時点で食欲は消えているのだろう。
「睡眠欲と、性欲は、生きてる時以上ですよ、ふぁ。」
欠伸を残し、珠希は横に倒れる。
「…性欲もかよ。」
寝ぼけているだけだとは思いながらも、恵一は微妙な心境なのだった。
「…目も覚めちまったし、飯でも食うか。」
「おはようございます恵一くんー。」
「もう夕方だぞ。」
珠希は昼を過ぎても起きず、日が傾いてしばらくしてから起き上がってきた。
「幽霊ってのは沢山寝るもんなのか?」
「いえ、夜更かししたので眠かっただけですよ。」
笑顔で告げる珠希。
「はぁ?そんな遅くまで何してたんだよ?」
恵一が問うと、珠希は頬を赤く染めて視線を逸して床に。
「待て、なんだ何してたんだ。きっちりと説明しろ。」
不穏な態度に疑いを持った恵一は珠希に詰め寄る。
「目の前で好きな男の子が寝てたら…不可抗力ですよ。」
「えぇ!?今朝のそれって、その事!?」
恵一は急に自分の貞操の危機を感じた。普通は逆であろうが。
「まだ慣れてないから布団めくったり、その他の事は大変でしたよー、触れなくて。」
「待った、その他でまとめてぼかすな。具体的に何したんだ。」
「…さて、夜のお散歩に。」
珠希は窓から外に出ようとする。わざわざ窓の位置に行かなくても霊体なら関係ないだろうが。
「待たんかい!」
恵一が浮遊する珠希の脚に手を伸ばすが案の定掴む事は出来ない。
「ではではー。」
手を振る珠希に、恵一は聞いてみた。
「…塩撒いといていいか?」
「それだけは!」
涙目で戻ってきた珠希の姿を見て恵一は勝ち誇った。
恵一は床に敷いた布団の中で目を覚ます。
時刻は午前9時。
(まだ寝てていい時間だな。)
そう決めて、寝返りを打つと目の前に珠希の寝顔。
何というデジャヴ。
「だあぁぁぁ!?」
「答えろ、なんでわざわざ同じ布団で寝る?」
珠希をなんとか起こして正座させ、問詰める。
幽霊を起こすには声を掛け続けるしかない。恵一は初めに珠希の頭をすり抜けて枕を叩いた事で実感した。
「いや…それは、不可抗力というものでして。」
寝ぼけた様子で珠希は答える。
「幽霊が寝ぼけるな!ってか睡眠必要か!」
「三大欲求は生きてる証拠なんです!」
「何も食ってないだろが!」
幽霊になった時点で食欲は消えているのだろう。
「睡眠欲と、性欲は、生きてる時以上ですよ、ふぁ。」
欠伸を残し、珠希は横に倒れる。
「…性欲もかよ。」
寝ぼけているだけだとは思いながらも、恵一は微妙な心境なのだった。
「…目も覚めちまったし、飯でも食うか。」
「おはようございます恵一くんー。」
「もう夕方だぞ。」
珠希は昼を過ぎても起きず、日が傾いてしばらくしてから起き上がってきた。
「幽霊ってのは沢山寝るもんなのか?」
「いえ、夜更かししたので眠かっただけですよ。」
笑顔で告げる珠希。
「はぁ?そんな遅くまで何してたんだよ?」
恵一が問うと、珠希は頬を赤く染めて視線を逸して床に。
「待て、なんだ何してたんだ。きっちりと説明しろ。」
不穏な態度に疑いを持った恵一は珠希に詰め寄る。
「目の前で好きな男の子が寝てたら…不可抗力ですよ。」
「えぇ!?今朝のそれって、その事!?」
恵一は急に自分の貞操の危機を感じた。普通は逆であろうが。
「まだ慣れてないから布団めくったり、その他の事は大変でしたよー、触れなくて。」
「待った、その他でまとめてぼかすな。具体的に何したんだ。」
「…さて、夜のお散歩に。」
珠希は窓から外に出ようとする。わざわざ窓の位置に行かなくても霊体なら関係ないだろうが。
「待たんかい!」
恵一が浮遊する珠希の脚に手を伸ばすが案の定掴む事は出来ない。
「ではではー。」
手を振る珠希に、恵一は聞いてみた。
「…塩撒いといていいか?」
「それだけは!」
涙目で戻ってきた珠希の姿を見て恵一は勝ち誇った。
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