らぶふぁんとむ7
「…ん。」
恵一が窓から射した日の光によって目を覚ます。
珠希の幽霊が恵一の家に来てから三日目の朝。月曜日である。
「はーい、おはようございますですよ、恵一くん。」
霊体である体に慣れてきた珠希がシャッ、とカーテンを開ける。
「…俺以外の奴が見たらポルターガイストだよなぁ。」
「いえ、恵一くんから見てもそうでしょう、幽霊の仕業なんですし。」
なんだかんだで恵一は幽霊である珠希を受け入れていた。
きっとそれは幽霊という存在を信じていた恵一だから。珠希が幽霊らしくない、人間っぽさを持っていたから。
「あー、今日から学校か、準備しなきゃな。」
「私は準備できてますよ、ほら。」
確かに珠希は学校制服を着ている。それは最期がその格好だったからだろう。
「ずっとその格好だっただろ。」
「うーん、寝る時くらいは着替えたいんですけど着替えなんかないですしね。」
「そもそも普通の服でいいかすら不明だしな。」
着れたとしても服だけが浮いて動いてるように見えそうだ。
「まぁ汚れたりする訳じゃないですからいいですけど、気分的に。」
珠希もこういう点は女の子のようだ。
「ん?待てよ、準備できてる、てお前も来るつもりか?」
「反応かなり遅めですね。行きますよ。私も生前は学生ですから。」
「おばけにゃ試験も学校もないはずでは?」
半眼になって恵一をみる珠希。呆れた目、と言ったところか。
「…まぁとにかく、行きますよ。恵一くんと離れる気はないですし。」
「さらりと流すなよ、虚しいから。…大丈夫なのか?」
心配そうに恵一が珠希に近付く。手には学生鞄、既に身仕度も済んだ。
「なにがです?」
「お前幽霊なんだぞ。皆驚くと思うが。」
「大丈夫ですよぉ、恵一くん以外見えない、て聞いてますし。」
恵一は初日に聞いた、死神とやらの話を思い出す。
「まぁ買い物に外出た時は誰にも見えてなかったようだが。」
「見えても幽霊ってことで問題無いですって。」
首を捻って考える恵一だったが時間はあまり無かったようだ。
「ほら、遅刻しちゃいますよ。」
珠希が恵一の腕をしっかり掴む。物に触れるくらいは問題無く出来ている。だが、
「力入れるな!痣出来るだろ!」
みるみるうちに青く手形が浮いてくる自分の腕を眺めながら、恵一は溜め息を吐いた。
恵一が窓から射した日の光によって目を覚ます。
珠希の幽霊が恵一の家に来てから三日目の朝。月曜日である。
「はーい、おはようございますですよ、恵一くん。」
霊体である体に慣れてきた珠希がシャッ、とカーテンを開ける。
「…俺以外の奴が見たらポルターガイストだよなぁ。」
「いえ、恵一くんから見てもそうでしょう、幽霊の仕業なんですし。」
なんだかんだで恵一は幽霊である珠希を受け入れていた。
きっとそれは幽霊という存在を信じていた恵一だから。珠希が幽霊らしくない、人間っぽさを持っていたから。
「あー、今日から学校か、準備しなきゃな。」
「私は準備できてますよ、ほら。」
確かに珠希は学校制服を着ている。それは最期がその格好だったからだろう。
「ずっとその格好だっただろ。」
「うーん、寝る時くらいは着替えたいんですけど着替えなんかないですしね。」
「そもそも普通の服でいいかすら不明だしな。」
着れたとしても服だけが浮いて動いてるように見えそうだ。
「まぁ汚れたりする訳じゃないですからいいですけど、気分的に。」
珠希もこういう点は女の子のようだ。
「ん?待てよ、準備できてる、てお前も来るつもりか?」
「反応かなり遅めですね。行きますよ。私も生前は学生ですから。」
「おばけにゃ試験も学校もないはずでは?」
半眼になって恵一をみる珠希。呆れた目、と言ったところか。
「…まぁとにかく、行きますよ。恵一くんと離れる気はないですし。」
「さらりと流すなよ、虚しいから。…大丈夫なのか?」
心配そうに恵一が珠希に近付く。手には学生鞄、既に身仕度も済んだ。
「なにがです?」
「お前幽霊なんだぞ。皆驚くと思うが。」
「大丈夫ですよぉ、恵一くん以外見えない、て聞いてますし。」
恵一は初日に聞いた、死神とやらの話を思い出す。
「まぁ買い物に外出た時は誰にも見えてなかったようだが。」
「見えても幽霊ってことで問題無いですって。」
首を捻って考える恵一だったが時間はあまり無かったようだ。
「ほら、遅刻しちゃいますよ。」
珠希が恵一の腕をしっかり掴む。物に触れるくらいは問題無く出来ている。だが、
「力入れるな!痣出来るだろ!」
みるみるうちに青く手形が浮いてくる自分の腕を眺めながら、恵一は溜め息を吐いた。
感想
感想はありません。