殺し合いごっこ‐LAST CHAPTER‐14上
ゴクン・・・
どうして・・・?
ゴクン・・・
ただの血のはずなのに
ゴクン・・・
鉄の味がするはずなのに・・・
ゴクン!!
なんで甘いの!?
佳奈美は勇の腕を放した。
「なんでっ・・・どうしてっ!?」
佳奈美は自分の体の変化にただただ動揺している。
「これが私達の正体よ。
血がなければ生きられない吸血鬼。 それが私達半鬼の運命・・」
ヘレナが床に崩れ落ちている佳奈美をベットへと戻す。
ヘレナと勇はお互い顔を向きあい黙って頷いた。
そして二人は黙って部屋を後にした。
*
20分後。
鬼倒衆本部会議室
勇とヘレナを含む鬼倒衆のトップの8人は会議をしていた。
話題は佳奈美の事である。
「それでは始めようか。
まずは勇の報告を皆聞いてくれ。」
長いテーブルの一番奥に座っている武将髭を生やした中年の男は勇に報告を命じた。
勇は淡々と報告を始めた。
「彼女の名前は龍造寺佳奈美。
歳は聞き忘れましたが…高校の制服を着ていたので15〜18だと思われます。
摩羅にそっくりな外見に緑色の瞳をしていますが匂いは摩羅のものとは全く違っていました。
そして現世に昨日来たばかりらしく、鬼人の敬と快と思われる人物に襲われたと証言しています。
昨日も話しましたが天界に来てからの記憶を一部失っており、自分が人を殺して血を飲んだ記憶が消えていて残虐性を垣間見る様な発言は全くありませんでした。
それどころか発作を起こした自分自身に酷く動揺していました。
以上です。」
鬼倒衆一同は黙って勇の報告を聞いていた。
「何か質問は?」
勇がそう言うと坊主頭にラインを入れたサングラスの男が手を挙げた。
「弘毅か。なんだ?」
弘毅と呼ばれた男は勇に質問した。
「やっぱり彼女が半鬼になったのは記憶を失っている間なのか?」
「その事だが彼女を発見した時、返り血はたくさん付いていたが服は破れてはなかった。だから記憶を失っている時にオニに襲われた可能性は恐らく0だ。」
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