あん時は恐いﾓﾉなんてなかった
ただ期待に弾む胸ふくらませて
周りの聞き慣れない言葉が新鮮で
まるで異国の地に立ったみたいやった
300円のコーヒーとシーフードサンドを前に
この地に降り立つんは
これが最初で最後やと
だから
何でもできた
でも今まったく同じ場所でまったく一緒のﾓﾉを揃えて座る
今となってはこの地が
当たり前でうっとおしくて
あんだけ輝いてたこの場は
ただの普通の日常
たしかにオシャレで綺麗な街、憧れた街
でも蓋をあけたら残酷で夢みてやってきた人間が落ちこぼれて着飾る毎日
見た目が美しい分
中身が汚い街
ﾎﾝﾏの自分性を見失う街
俺らのホンマの価値ってなんやねんやろ
お金じゃないねん
名誉じゃないねん
俺ららしさやねんて
この世界でたった一つの自分のStoryを
俺らの周りに支えられて作っていくねんて
おまえは一人しかおらんねんから
しょーもない夢やゆわれようが
でっかすぎる夢やゆわれようが
おまえだけの物語を作っていったらええ
そりゃ気になるやろ
周りの目や家族や俺らを見守ってくれてる人達を
でも
そんなんでええんか
周りばっか気にして
着飾って
皆と同じ人間
無個性のなまものに
なってもいいんか
成り上がらんでもええやんけ
成功せんくてもええやんけ
そこまでできた自分を最期に褒めたったらええねん
それが俺ら人間やろ
東京になんか負けるな
まだまだいけるおまえなら
ゆっくりでええから
俺らだけの路を歩いていこや

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