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折れた羽

[389]  あい  2006-02-27投稿
第2話〜笑顔〜

「サヤはさぁ、彼氏とかつくんないの?」
「ん〜…別にいらなぃかなぁ。」
「寂しい奴だねぇ(笑)」
「うっさい。(笑)今はいいの。」

サヤはこうして仲間と他愛も無い話をする時間が一番楽しかった。
毎晩のように深夜までたむろして、一人暮らしのアパートへ帰るのは明け方近くになってからだった。
そんな生活をもう1年近く続けている。
学校へはあまり行っていなかった。ただつまらないだけの場所だったから、行く意味がなかった。

「寝よ。」
サヤが眠る頃は街が動き出す時間だった。

「やべ…寝過ぎた。」
それから数時間後、目が覚めて時計を確認して一言つぶやく。
時計は7時を指している。しかし外は明るい。
つまり丸一日寝ていた。
「ん"〜っよく寝たぁ…」
大きく伸びをして起き上がる。
「学校…行こうかなぁ…」
それからサヤはクローゼットの中から制服を出して着替え、準備をして出かけた。

ガラッ
教室のドアを開けると、サヤを見て、教室のざわめきが一瞬おさまった。
それから教室のいたるところでヒソヒソと話し始める。
「相沢さんまだ辞めてなかったんだ。」
そんな言葉が耳にはいってきた。
「学校来ないで何してんだろ?」
「さぁ?」
クラスメイトたちはサヤが援助交際しているのを知らない。
サヤはそんなクラスメイトたちを尻目にさっさと自分の席についた。
「おはよ!!」
サヤが席につくと誰かがサヤに声をかけてきた。
「え?」
普段サヤに話しかける人がいないからサヤは驚いて声がした方を見ると知らない少年がサヤにニコ?と笑顔を向けていた。
「俺、先月転校してきたんだ。」
「そう…。」
確かにずっと空席だったはずの隣りの席に座っている。
「俺柏木葵!!よろしく!!」
「相沢サヤ。よろしく。」
サヤはさして興味もなく葵を見た。
茶髪にピアス。顔は結構かっこいいけどどこか子供っぽい。
犬みたい。
これがサヤが葵に対しての印象だった。
「相沢さんめちゃめちゃキレイだねぇ!!」
「…ありがと。」
葵はサヤにしきりに話しかけてくる。
「ずっと学校きてなかったけど病気かなんか?」
「…別に…」
「ふぅん…」
サヤは段々と葵が煩わしく思えて何に対しても投げやりに答えた。
「あのさ、今日教科書わすれてさ、見してくんない?」
「うん…。」
「マジ?ありがとっ!!」
そう言って嬉しそうに笑った彼の表情にサヤはドキッとしてしまった。

感想

  • 316: 題名のあとに数字入れるのわすれました?この話しゎ?です☆ [2011-01-16]

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