MURASAME
鬼門?
「不動明王印…全ての穢れを祓う浄化の炎か…」
可王は周りに広がる炎を見て嘲笑した。蔵王丸の顔に冷や汗が流れる。
「もう一度聞きます…一体何の目的で鬼門を狙うのですか?」
「それを知りたいのならかかってくるがいい」
可王が刃を一振りすると凄まじい剣風が巻き起こり、周辺の炎を掻き消した。
蔵王丸は飛び出すと再び懐から呪符を取り出し印を結ぶと叫んだ。
「雷帝神インドラ招来!」
天空に雷鳴が唸る。雷は幾重の束となり可王に降り注いだ。「…何故!?」
可王の様子に蔵王丸は驚愕の色を隠せなかった。
普通の人間ならば感電はおろか焼け死んでしまう程の雷を受けて可王は平然としている。
「…解せんな。貴様何故『慚鬼』を使わない?」
可王を雷に撃たれたまま聞いた。
「慚鬼は封印しました…本当なら私は二度と戦いたくない…」
「腑抜けが…!」
可王の表情が憤怒の色を見せる。雷を跳ね返し、刀を構えるとそのまま蔵王丸に斬りかかった。
「ッ!毘沙門天夜叉走牙!」
呪符より幾つもの牙が飛んだ。その牙は可王の体に深々と突き刺さる。だが可王はその勢いを止めることはなかった。
「…な!?」
蔵王丸の体に刃が深々と突き刺さった。凄まじい量の血しぶきが飛び、辺りが赤く染まった。
「戦う事を捨てたお前に興味などない…冥府へ逝け」
可王の凶刃が蔵王丸の体を斬り裂いた。蔵王丸は大量の血を吹き出しその場に倒れた。
「…な…ぜ…妖庁最強の役人とまで謳われたあなたが…」
まるで呻くように蔵王丸が呟いた。
可王は何も答えない。彼は静かに鬼門に近づきとその門の境目に刃を突き入れた。
「小鉄の力を持ってすれば、鬼門を斬り開くことが可能な筈…蔵王丸、見ていろ。この世界に闇が満ちる瞬間を!」
鬼門から光が溢れる。その瞬間、可王の体を衝撃の波が襲った。
「これは…羅殺剣か」
可王が目を向けると横たわる蔵王丸の側に幸司が羅喉を構えていた。
「…師匠?」
幸司の言葉が辺りを反芻した。
「不動明王印…全ての穢れを祓う浄化の炎か…」
可王は周りに広がる炎を見て嘲笑した。蔵王丸の顔に冷や汗が流れる。
「もう一度聞きます…一体何の目的で鬼門を狙うのですか?」
「それを知りたいのならかかってくるがいい」
可王が刃を一振りすると凄まじい剣風が巻き起こり、周辺の炎を掻き消した。
蔵王丸は飛び出すと再び懐から呪符を取り出し印を結ぶと叫んだ。
「雷帝神インドラ招来!」
天空に雷鳴が唸る。雷は幾重の束となり可王に降り注いだ。「…何故!?」
可王の様子に蔵王丸は驚愕の色を隠せなかった。
普通の人間ならば感電はおろか焼け死んでしまう程の雷を受けて可王は平然としている。
「…解せんな。貴様何故『慚鬼』を使わない?」
可王を雷に撃たれたまま聞いた。
「慚鬼は封印しました…本当なら私は二度と戦いたくない…」
「腑抜けが…!」
可王の表情が憤怒の色を見せる。雷を跳ね返し、刀を構えるとそのまま蔵王丸に斬りかかった。
「ッ!毘沙門天夜叉走牙!」
呪符より幾つもの牙が飛んだ。その牙は可王の体に深々と突き刺さる。だが可王はその勢いを止めることはなかった。
「…な!?」
蔵王丸の体に刃が深々と突き刺さった。凄まじい量の血しぶきが飛び、辺りが赤く染まった。
「戦う事を捨てたお前に興味などない…冥府へ逝け」
可王の凶刃が蔵王丸の体を斬り裂いた。蔵王丸は大量の血を吹き出しその場に倒れた。
「…な…ぜ…妖庁最強の役人とまで謳われたあなたが…」
まるで呻くように蔵王丸が呟いた。
可王は何も答えない。彼は静かに鬼門に近づきとその門の境目に刃を突き入れた。
「小鉄の力を持ってすれば、鬼門を斬り開くことが可能な筈…蔵王丸、見ていろ。この世界に闇が満ちる瞬間を!」
鬼門から光が溢れる。その瞬間、可王の体を衝撃の波が襲った。
「これは…羅殺剣か」
可王が目を向けると横たわる蔵王丸の側に幸司が羅喉を構えていた。
「…師匠?」
幸司の言葉が辺りを反芻した。
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