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レッド・ゴッド

[307]  山田名無  2007-06-09投稿
遙か東の、巨人の山を越えたさらに東、不死鳥の森を通り過ぎて、精霊の湖と、死の沼を抜け、竜の谷の底にその村はあった。村の名はミネ。
村人以外の人間がこの地を訪れたことはない。また、村人も村の外には出ようとしなかった。なぜなら、竜の谷の周辺には多くの獣が息を潜め、中でも三首の大トカゲボルダは特に凶暴で、他の獣からも恐れられている。さらに、精霊の湖には、冷徹な魔女メレンが、死の沼には巨大な毒蛇ゼレが、不死鳥の森の奥地には人間を餌にする鳥人ルノが、そして巨人の山には四本の腕を持つ最強の魔人バノスがいる。
とても人間が歩ける道のりではなかった。

ところがある日、遠く西の村、オースから、一通の手紙が、伝書鳩によって届いた。凶暴な怪物達も、小さな伝書鳩には見向きもしない。

手紙には、オースの若い娘が、何者かに連れ去られてしまい、どうやらそれは、魔人バノスの仕業らしい。バノスが娘を抱え山に入っていくのを、山の妖精達が見たというのだ。

さらに、手紙の内容には続きがあった。

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