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夕暮れの日に〜機械の町 その4〜

[312]  グレイブ  2007-06-09投稿
腰に挿してある長剣を引き抜き、二発、三発と跳んでくる弾丸を弾きながら、回りの戦況を探る。


狙撃主は、二人。

通路に対して前後。



弾を避けながら走ってきた来たラトを踏み台に、向かいの建物の一室に跳躍する。

暗い部屋に、一人の男が銃を構えて座っていた。



狙撃用に作られた長身の銃では、近距離の刀の攻撃に対応できるほど小回りは利かない。

「なぜ僕らを狙うんです?」


返事は無い。





首に突きつけた刀に力を込めながら、

もう一度だけ聞いた。




「なぜ、僕らを撃ったんですか?」


少し間をおいて、ぼそり




「この世界で一番うまい肉は、なんの肉だと思う?」







無言のままの僕に向かって、男は話しだした。












人口100人ほどの、小さなまち。
機械技術が発達し、生活の全ては機械まかせだった。
悪天候が続き、町の人口は少しずつ、でも確実にへっていく。
機械に頼りきりだった住人に、食物をつくる知識はなかったのだ。

とうとう人口が10を切ったある日。

一人の青年が自分の妻を食べた。

それから、また一人。
また、一人


向かいにすんでいた人も、自分の夫を食い殺した。一人

また一人。
のこり三人になった時。

そのうち二人はそとの人間をたべる事にした。

残りの一人は餌にするため、捕えられた。


よく晴れた次の朝。
まちに待った旅人がやってくる。

男を生きたまま解体し、二人はその悲鳴を堪能しながら

店の機械に入れた。


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