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眩しい微笑み08

[272]  2007-06-11投稿



僕らはあのこがいる病院に着いた。
受付で聞いた部屋に向かう。
部屋の前に来ると、彼女の手が僕の手を強く握ったので僕も握り返して言った。
「大丈夫です」
「うん・・・」
ミサキさんが病室に入る。
その姿を見て僕は、さっきのミサキさんの手のぬくもりがまだ残る左手を握った。


「こんにちは・・・」
ミサキが小さな声で言ったその視線の先には、例の少年がいた。
頭に包帯を巻き、足を吊り、点滴をさして寝かされている姿で。

ミサキを視界に捕らえた少年が高い声を上げた。
「おねえさん!」
そして、にっこりと笑った。
「ゼンくん・・・」
ミサキが少年の名を呟いた。
その目には涙がたまり・・・零れた。
「!!?どうしたの?おねえさん、なんで泣いているの!?」
少年・・・ゼンが問い掛けても、ミサキは涙を零すだけだった。
「ごめんね・・・」と呟きながら。


どのくらい時間がたったか、ミサキさんが病室からでてきた。
その目は赤く、泣いていたのだと悟った。
「ミサキさん・・・」
彼女の目からまた涙が零れる。

僕はとっさに彼女の手を引くと、人がいない通路に引っ張っていった。
「ちょっと・・・リク?」
まだ涙を零す彼女を、僕は抱きしめる。
彼女を抱きしめるのはもう三回目だ。
あとでミサキさんに殴られるだろう。
でも僕は、泣いているミサキさんをそのままにしたくなかった。

泣いている彼女は本当に消えてしまいそうだから。

だから僕は彼女を抱きしめる。
「リク・・・」
ミサキさんの掠れ気味な声を聞いて、僕は抱きしめる力を強くした。


僕は一体、ミサキさんをどう思っているのだろうか。

自分が、わからない。

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