冥界王子1
わたしはリュクス。
冥界王子付の執事だ。
仕事は単純。
王子のマネジメント。
王子は次の冥界王になる大事な冥界の後継者。
聡明な方だが、自己主張の激しい方でもある。
(単にワガママかもしれないが…)
「退屈だな…」
王子はティーカップに視線を落としてつぶやいている。
リュクスは胸騒ぎがした。
こんな時、王子は人間界に降りようとしているからだ。
人間…
とても弱くて、頭が悪い。欲望に流されたり、同じ過ちを繰り返したりする。
愚かな生き物。
リュクスは人間など、どうでもよかった。
しかし、王子は人間に触れたり、話を交したりするのが最近のマイブームらしかった。
王子が退屈な時はリュクスがとめても人間界へ向かうのだ。
王子は目を細めて遠くを見ていた。
果てしなく花が咲く丘が続く冥界。宙は墨を溢したような漆黒。くるぶしにかかる丈の赤い花が何処までも覆い尽す。
冥界にはないはずの一陣の風が王子の銀色の髪を揺らした。
「リュクス、人間界へ行く。」
リュクスは人間界に行きたくないが、王子に逆らうことはなかった。
行きたくない人間界に行くよりも、王子が暴れる方がよっぽど危険だ。
「ご一緒いたします。」
冥界王子付の執事だ。
仕事は単純。
王子のマネジメント。
王子は次の冥界王になる大事な冥界の後継者。
聡明な方だが、自己主張の激しい方でもある。
(単にワガママかもしれないが…)
「退屈だな…」
王子はティーカップに視線を落としてつぶやいている。
リュクスは胸騒ぎがした。
こんな時、王子は人間界に降りようとしているからだ。
人間…
とても弱くて、頭が悪い。欲望に流されたり、同じ過ちを繰り返したりする。
愚かな生き物。
リュクスは人間など、どうでもよかった。
しかし、王子は人間に触れたり、話を交したりするのが最近のマイブームらしかった。
王子が退屈な時はリュクスがとめても人間界へ向かうのだ。
王子は目を細めて遠くを見ていた。
果てしなく花が咲く丘が続く冥界。宙は墨を溢したような漆黒。くるぶしにかかる丈の赤い花が何処までも覆い尽す。
冥界にはないはずの一陣の風が王子の銀色の髪を揺らした。
「リュクス、人間界へ行く。」
リュクスは人間界に行きたくないが、王子に逆らうことはなかった。
行きたくない人間界に行くよりも、王子が暴れる方がよっぽど危険だ。
「ご一緒いたします。」
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