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黒い天使 白い悪魔 ?

[434]  鴇色猫  2007-06-13投稿

『カラーンコローンカラーン…』

僕はその日ずっと、彼から目を逸らし続けた。

見たいような見たくないような…

彼からの視線は、僕をそんな何とも微妙な心持ちにさせた。


そうして数日が過ぎた。


その頃には僕はもう、彼の視線にビクビクすることも無くなった。
むしろ心地好ささえ感じ始めていた。

そして


 + + +


「なぁルイ。転校生のことサ…どう思う?」

「あぁ…『変わった人』かな。」

「ん〜…なーんか、取っ付きにくいというか…お前ん時はサ、すぐ仲良くなれたんだけどなー」

「単に性格が合うかどうかじゃない?」

「そぉかぁ?あいつ、なーんか、暗い?空気が?だけどその点お前は…」

大抵一緒に帰る友達、ジョン・ブラッドレイ。


「じゃあ明日宿題見せてな〜」

「…考えときます。」

手を振り別れる。

ルイが居候しているマリアの家は丘の上にある。

その坂道の真ん中ぐらいに。


あいつが居た。


「ルイ・カストゥルーデっていったっけ?」

「何か用でも?」


そう言うと、少年は文字通り、にやりと笑い、

「カストゥルーデってさ、天使の名家でしょ?…人間に化けて一体何やってるのさ?」

やっぱり、気付いていた。

「そういうあなたは、どうなんですか?ここはあなた方悪魔にとって、少々明る過ぎるんじゃないですか?」

「そんな事もないさ。むしろ、気持ち良いくらいだよ。」

「奇遇ですね。僕もです。」


数秒間、睨み合う。


「ぷっ」

「あははははっ」

「ホント、何で何から何まで一緒なワケ?」

くっくっくっ…歯を剥き出して笑うニード。

「そんなの、僕には解りかねます」

涙を拭きながら可笑しそうに、ルイ。


天使と悪魔が共に笑い合う。
奇妙な、けれど暖かい風景。


(悪魔って、こんな奴だっけ?)

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