チキンソウル〜4〜
始めは甘かった練習も徐々に厳しさを増していく。ケツを叩かれる、喉を突かれる。ヘトヘトになるまで稽古させられる。もうこんな練習嫌だ…辞めたい…逃げたい気持ちでいっぱいになっていく。試合で負ければ殴られる。勝っても内容が悪けりゃ殴られる…。楽しくない…。一体なんの為に稽古をしているんだろう…?答えが見付からず…ただただ時は流れた…。
試合に勝てず、練習も楽しくなく、地獄の日々は続いて早一年半。顧問に
『やる気がないんなら帰れ!!!!』
と言われた。普段何回か言われていた言葉だが、今回は何か違った。部活を辞めたい気持ちが最高潮に達していたから、逃げるキッカケが出来たと思ったのだ。僕はその日言われた通り練習中帰った。でも帰ったら帰ったで親にこっぴどく怒られた。その日はご飯も食べず、何もしないで終わった…。次の日僕は練習を休んだ。夏休みの終りのセミの鳴き声を聞きながら僕は空を眺めていた。その日の夜、親に部活を辞めたいと話をした。母親は半分賛成で半分反対だった。母親は優しく、僕の弱さをよく知ってるから人事に思えなかったのだろう。逆に父親は猛反対。
『父さんは絶対に許さんぞ』
『でも、もぅ僕は嫌なんだ!!なんで毎日毎日体痛めてまで練習なんかしなきゃいけないんだよ!!』
『お前は辛い事から逃げ出したいだけだろ!!』
『違う!!僕は…僕は剣道が嫌いなんだ!!!!』父親は何も言いかえさなかった。僕がこんな事を言ったのは初めてだったからだろう。しばらくして父親は口をひらいた。
『父さんもな…高校の時練習が辛くて練習をさぼった事があるんだ…でもな…さぼった日は練習より辛い思いをしたよ。』
父親は見えないように涙を溢していた。
『仲間が辛い思いをしているのに自分は何をしているんだろう…そう思うと胸が苦しくてな…自分がちっちゃく見えて情けなかったんだ…お前も今日そう思わなかったか…?』
僕は小さい声で
『…思った…』
と言った。
『父さんはな…お前に強くなってもらいたいんだよ…でも剣道がつまらないと言うならもうやる意味もない…明日退部届を出してきなさい…』
父親は下を向いて言った…。僕は大粒の涙を溢して父親に
『…ごめんなさい…』と言ってその場を去った…
僕は部活を辞め、仙台の動物専門学校への進路を決めて西海を卒業した。…そして今僕は、情けなさを引きずりながら…ここにいる…
試合に勝てず、練習も楽しくなく、地獄の日々は続いて早一年半。顧問に
『やる気がないんなら帰れ!!!!』
と言われた。普段何回か言われていた言葉だが、今回は何か違った。部活を辞めたい気持ちが最高潮に達していたから、逃げるキッカケが出来たと思ったのだ。僕はその日言われた通り練習中帰った。でも帰ったら帰ったで親にこっぴどく怒られた。その日はご飯も食べず、何もしないで終わった…。次の日僕は練習を休んだ。夏休みの終りのセミの鳴き声を聞きながら僕は空を眺めていた。その日の夜、親に部活を辞めたいと話をした。母親は半分賛成で半分反対だった。母親は優しく、僕の弱さをよく知ってるから人事に思えなかったのだろう。逆に父親は猛反対。
『父さんは絶対に許さんぞ』
『でも、もぅ僕は嫌なんだ!!なんで毎日毎日体痛めてまで練習なんかしなきゃいけないんだよ!!』
『お前は辛い事から逃げ出したいだけだろ!!』
『違う!!僕は…僕は剣道が嫌いなんだ!!!!』父親は何も言いかえさなかった。僕がこんな事を言ったのは初めてだったからだろう。しばらくして父親は口をひらいた。
『父さんもな…高校の時練習が辛くて練習をさぼった事があるんだ…でもな…さぼった日は練習より辛い思いをしたよ。』
父親は見えないように涙を溢していた。
『仲間が辛い思いをしているのに自分は何をしているんだろう…そう思うと胸が苦しくてな…自分がちっちゃく見えて情けなかったんだ…お前も今日そう思わなかったか…?』
僕は小さい声で
『…思った…』
と言った。
『父さんはな…お前に強くなってもらいたいんだよ…でも剣道がつまらないと言うならもうやる意味もない…明日退部届を出してきなさい…』
父親は下を向いて言った…。僕は大粒の涙を溢して父親に
『…ごめんなさい…』と言ってその場を去った…
僕は部活を辞め、仙台の動物専門学校への進路を決めて西海を卒業した。…そして今僕は、情けなさを引きずりながら…ここにいる…
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