ナイト・オン・ドラグーン【112】話『終わる世界』
墜落した朱き竜 アデルは女神塔の中庭に墜ちた。
レグナはすぐさま下降し、アインを地上へと降ろす。
『マナ!リリーナ!』
二人の姿を見つける。駆け寄り無事だとわかるとアインは安堵の息を吐く。
『あいつは!?』
問い掛けるとリリーナが無言で指を差した。
竜眼の男レオンは力無くはいつくばっているアデルの眼前までに近寄っていた。
先程まで我を忘れ暴れ狂っていたアデルだが、そういった気配はまるで感じなかった。
ただ、アデルは頭をあげ、レオンのほうを向いている。
『最期だ…』
砂塵を吹き起こしレグナが舞い降りながら呟く。
『…永い夢でも見てたようだ』
レオンはアデルの鼻頭へと手を伸ばす。
ざらざらする赤黒い鱗をさすった。
−もう、おわったんだ…全て。
『レオン…お前の声、我には届かなかった。すまぬ…』
−あぁ…知っていた。
『お前とまたまみえる日を待ちわびていたというのに…』
−そうだな。
レオンはアインへと見遣る。
『そう…か…もう永くはない…な』
−この世界はいずれ終わる…だが、あそこにいる少年が何とかしてくれるだろう。
アデルの全身に炎が立ち上がる。
同時にレオンにも。
『レオンとアデルは契約を交わした者同士…』
無言だったマナがそう呟く。
『契約者尽きる時、二つの生命が失われる…それが、代償なんだ…』
燃えてゆくレオンを見ながらリリーナが言った。
『くそ…』
『見届けるのだ小僧、目を逸らすでない。』
不意にレオンと視線が合った。
その口元に僅かな笑み。
感謝する、と聞こえたような気がした。
『もう……良いの…か?レオン…』
− ぁあ。行こう共に…
まるでそこにアデルとレオンがいた痕跡さえ見当たらないほどに灰となって二人は消えた。
そして、女神の象徴アデルが死んだことによって世界は破滅へと進む…
『始まった…』
空を見上げたレグナが言う。
空に亀裂が走っている。
レグナはすぐさま下降し、アインを地上へと降ろす。
『マナ!リリーナ!』
二人の姿を見つける。駆け寄り無事だとわかるとアインは安堵の息を吐く。
『あいつは!?』
問い掛けるとリリーナが無言で指を差した。
竜眼の男レオンは力無くはいつくばっているアデルの眼前までに近寄っていた。
先程まで我を忘れ暴れ狂っていたアデルだが、そういった気配はまるで感じなかった。
ただ、アデルは頭をあげ、レオンのほうを向いている。
『最期だ…』
砂塵を吹き起こしレグナが舞い降りながら呟く。
『…永い夢でも見てたようだ』
レオンはアデルの鼻頭へと手を伸ばす。
ざらざらする赤黒い鱗をさすった。
−もう、おわったんだ…全て。
『レオン…お前の声、我には届かなかった。すまぬ…』
−あぁ…知っていた。
『お前とまたまみえる日を待ちわびていたというのに…』
−そうだな。
レオンはアインへと見遣る。
『そう…か…もう永くはない…な』
−この世界はいずれ終わる…だが、あそこにいる少年が何とかしてくれるだろう。
アデルの全身に炎が立ち上がる。
同時にレオンにも。
『レオンとアデルは契約を交わした者同士…』
無言だったマナがそう呟く。
『契約者尽きる時、二つの生命が失われる…それが、代償なんだ…』
燃えてゆくレオンを見ながらリリーナが言った。
『くそ…』
『見届けるのだ小僧、目を逸らすでない。』
不意にレオンと視線が合った。
その口元に僅かな笑み。
感謝する、と聞こえたような気がした。
『もう……良いの…か?レオン…』
− ぁあ。行こう共に…
まるでそこにアデルとレオンがいた痕跡さえ見当たらないほどに灰となって二人は消えた。
そして、女神の象徴アデルが死んだことによって世界は破滅へと進む…
『始まった…』
空を見上げたレグナが言う。
空に亀裂が走っている。
感想
- 7289: 興味心がありました。面白かったです。 [2011-01-16]
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