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折れた羽?

[332]  あい  2006-03-01投稿
第6話

サヤは柄にもなくテンパっていた。
「なんか相沢さんって背伸びしてるよね。」
「んなことないと思うけど…」
「でも最近言葉遣いが荒くなったからそれが素なのかなって思って来た(笑)」
「そんなこと…」
「あるよね(笑)」
「…からかわないでよ。」
「あ、バレた?」
葵はそう言っていたずらっぽく笑った。
「もぅ…」
「でも、素の相沢さんをもっと見たい。」
葵がいきなり真顔になってサヤの目を見つめてきた。
「えっ…またそんな冗談…」
サヤは葵の目が見られなくて視線を下に向ける。
「これは本当。相沢さんって大人っぽい時もあるけどたまに無理して演じてるんじゃないかって思う時がある。」
いつもの葵からは考えられないくらい真面目な顔で言う。
「そんなこと…」
「相沢さんの素がもっと見てみたいんだ。」
サヤの言葉を遮って葵はさらに言う。
「相沢さんが、好きなんだ。」
「なっ…」
サヤは驚いて葵の顔を見ると真剣な表情でまっすぐサヤを見つめていた。
「そんなこと言われたって…」
「俺のこと嫌い?」
サヤは首を横に振る。
「じゃあ…好き?」
「……わかんない…」
サヤは俯いて答えた。
本当に分からなかった。葵は自分にとってどんな存在なのか、どんな存在であって欲しいのか。
「嫌いじゃないって聞けただけで十分だよ。」
葵はそう言ってサヤの頭に手を置いた。
かぁっ…とサヤの体温が上がる。
顔がほてって熱い。
「考えてみて?」「うん…」

その日は2人はその場で別れ、帰路についた。
サヤは葵の言葉にひどく動揺して足元もおぼつかない。なんとか自分の部屋に戻ると玄関に入ったとたんよろよろとその場に座り込んだ。
「うそでしょ…柏木君が…あたしを好き……?」
サヤは未だに内容が飲み込めなくて、呆然としていた。
「好きって…どんな気持ちなのかな…」
サヤはまだ人を好きになる気持ちが分からなかった。
「なんなのぉ…?」
サヤの青い瞳から涙がこぼれた。
(誰か…教えてよ…なんでこんなに胸が苦しいの…?なんでこんなにドキドキするの…?)
「葵…」
サヤが葵の名を呟いて彼ね顔を思い出す。満面の笑み。怒った顔。いじけた顔。真剣な顔。
思い出すたびに胸が痛くなる。
けれどサヤは葵の名を呼び続け泣き続けた。

感想

  • 363: 続きが気になります [2011-01-16]
  • 416: この話の好きなんで--続き読みたいデスっ(●>艸<) [2011-01-16]

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