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らぶふぁんとむ15

[189]  あこん  2007-06-16投稿
「…。」
珠希はジト目で恵一を見続ける。
給食を食べる恵一の正面に浮いて、珠希は恵一を見続ける。
「…。」
珠希は、ただひたすら不満そうに恵一を見続ける。

発端は朝の登校時間。
「さぁ恵一くん、急がないと遅刻ですよ。」
「原因は、お前が、俺の上に、乗ってた事だがな!」
珠希が睡眠中に上に乗ると、どういう訳か金縛りに遭うらしい。
ふわふわと浮遊する珠希に対し、恵一は自分の足で走っているために息も絶え絶えだ。
恵一が罵りの言葉を考えながら珠希を睨み上げた時、それは起きた。
ドスンッ。
恵一は腹に柔らかな衝撃を覚えて立ち止まる。目の前には小さな体格の少女が倒れていた。
「あーぁ、ちゃんと前を見ないから。」
うるせぇ、と胸の中で毒づき、恵一は少女に声を掛ける。
「わ、悪い、大丈夫か?」
「…え?」
どうにも反応が鈍い。
「いや、大丈夫?」
「…あぁ、うん。」
恵一が差出した手に掴まって少女は立ち上がった。
「えっと、すまん。俺の前方不注意だ。」
頭を下げる恵一。珠希が後ろで、うんうんと頷いているのが気に食わないが。
「…いい。私もぼぅっとしてた。」
無感情な声で続ける少女。
「…だから気にしないで、小野瀬くん。」
薄く笑って、少女は走り出した。
そして遅刻しないように学校に着けば、少女が同じクラスだった事に気付いた。
呆気に取られた恵一を、少女は薄く笑って見つめるのだった。

そして、今に至る。
「…。」
何が気に食わないのか、珠希は恵一とその少女を交互に睨む。
後から思い出した事だが、少女の名は八夜(はちや)みこ。恵一とは三年になって初めて同じクラスになった。
あまり積極的ではないようで、恵一と話したのも今朝が初めてなくらいだ。
「…。」
珠希の重圧に耐え切れなくなった恵一は、空になったステンレスの食器を配膳カートに片付け、廊下に出た。ちなみに給食の時間は教室から出てはいけない事になっている。
「いけないんだぁー。」
「お前と話す為だ、察しろ。」
とりあえず、屋上に向かう。
(素行不良、て見られるよな…。)
陽射しが強くなり始めた六月中旬。給食の時間なので誰も屋上にはいない。
「で、だ。なんで俺を親の敵のように睨む。」
「…や、浮気はちゃんと罰しませんと。」
「何が浮気か!?」

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