紅い女神〜五つの国?〜
そこは千人は入るであろう、かなり広い謁見の間。
今そこで一段と高い玉座に年若い青年が座していた。
「皆、息災で何より。地神界の侵攻は更に激化してきている。今こそ我々が力を合わせ、この世界を守る時である。
国々の垣根なく、この災厄を乗り越えていこう」
国王は居合わせた数百人の前で宣言した。
そこに居並んだもの達は深々と頭(こうべ)を垂れた。
謁見の間から離れた王政国城の端にある東屋に8人の年若い青年達が集まっていた。
「大分、王らしくなってきたじゃないか。国王になってからまだ日も浅いっていうのに」
蒼い髪をした青年が肩をぱんぱんと叩いた。
「痛いよ、セリキュレラ。だいたい君こそ長らしくなったじゃないか。青い国の水の加護は無敵と言われてるそうだな」
「それほどでもないさ。紅い女神の加護には到底及ばない」
セリキュレラは端の方で静かに佇む紅い髪の少女を向いて意地の悪い笑みを浮かべて答えた。
「私はそんなに偉い奴じゃないよ。長になったのだって奇跡じゃないかと思っているのだからさ」
少女は苦笑して言った。
「民達が皆、お前を賛辞してるじゃないか」
その言葉に集まった者達が頷きあった。
今そこで一段と高い玉座に年若い青年が座していた。
「皆、息災で何より。地神界の侵攻は更に激化してきている。今こそ我々が力を合わせ、この世界を守る時である。
国々の垣根なく、この災厄を乗り越えていこう」
国王は居合わせた数百人の前で宣言した。
そこに居並んだもの達は深々と頭(こうべ)を垂れた。
謁見の間から離れた王政国城の端にある東屋に8人の年若い青年達が集まっていた。
「大分、王らしくなってきたじゃないか。国王になってからまだ日も浅いっていうのに」
蒼い髪をした青年が肩をぱんぱんと叩いた。
「痛いよ、セリキュレラ。だいたい君こそ長らしくなったじゃないか。青い国の水の加護は無敵と言われてるそうだな」
「それほどでもないさ。紅い女神の加護には到底及ばない」
セリキュレラは端の方で静かに佇む紅い髪の少女を向いて意地の悪い笑みを浮かべて答えた。
「私はそんなに偉い奴じゃないよ。長になったのだって奇跡じゃないかと思っているのだからさ」
少女は苦笑して言った。
「民達が皆、お前を賛辞してるじゃないか」
その言葉に集まった者達が頷きあった。
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