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眩しい微笑み10

[238]  2007-06-17投稿


目覚めた僕が一番最初に見たのは、最後に見たのと同じ白い天井で、体を起こすとミサキさんがいた。

「あ・・・どうも」
まだ胸の奥がもやもやしていた僕は妙な挨拶をしてしまった。
しまった、また殴られるかも。

でもそんな考えは杞憂でミサキさんは息を小さくはいて、帰りましょ、と言った。


帰り道、まだ僕の心はもやもやしていた。
僕は「もや」の奥にある「答え」を探していた。

見つかった答えは−−−−−



「あ、あのさリク・・・」
ミサキさんが小さな声で話しかけてきた。
「今日は・・・あの・・・ご、ごめ「いやー、すごかったですね、ミサキさんのアッパー」
ミサキさんの声を僕は掻き消して続ける。

もう、止まらない。

「あのパンチなら世界が狙えますよ」


「あんなパンチをするほど僕のこと嫌いなんですね」


「ミサキさんはこんな地味な男なんて嫌いでしょうけど、ああやって改めて確認させられると結構ショックです」

ミサキさんが何かを言っている。でも僕はそのまま続ける。

「あ、嫌いな男と歩くのなんて嫌ですよね。すみません、僕離れますね」

「どっちにしても、もう家近いんで、ここらへんで・・・」


「さようなら」


そう言って僕は走り出した。
後ろを振り返ってはいけない。


僕みたいな奴にミサキさんは眩しすぎるから。

僕なんかに太陽に恋する資格なんてないから。

だから僕はただ走る。
自宅はとっくに過ぎたけど、走る。



僕が見つけた「答え」は、眩しい太陽から離れること。
僕が彼女に恋すると、彼女は不幸になる。


だから、さよならミサキさん。
今まで、ありがとう。


目から溢れ出す涙が頬を濡らす。

それでも僕は走り続けた。

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