紅い女神〜五つの国?〜
「やっぱり、ここにいた」
鬱蒼と生い茂る木々の中にぽかりと空いた場所があった。
「俺が生まれたのはここなんだよな」
木漏れ日が佇んでいた少年の髪を蒼く輝かせた。
「そうよ。泉の女神があなたを私達に託したの。この世界の切り札として」
ウリューゼアは少年の前に広がる泉に視線を向けた。
「でも、今はあなたも私達の仲間よ。出生がどうであれ、もうこの世界の住人でしょ。
それより、皆が待っているわ。王弟殿下」
「その呼び方はやめてくれって言ってるだろ?
リュウで良いよ。ウリューゼア、君に殿下と言われると変な感じがする」
リュウは心底嫌そうな表情をしてウリューゼアを見た。
「あなたが可笑しなことを言うからでしょう?
国王もみえられたんだから、あなたがいないとダメじゃない」
「兄上が?それで探してくれたんだね。悪かった、すぐ行く」
リュウは迎えに来てくれたウリューゼアの手を引いて、その泉を後にした。
『…どうか、この世界を……』
泉の中央に陽の光に霞んだ人の形をした女性が、少女達を見送っていた。
世代代わりをしたばかりの若い長達は少年と少女を迎え、束の間の休息を楽しんだ。
鬱蒼と生い茂る木々の中にぽかりと空いた場所があった。
「俺が生まれたのはここなんだよな」
木漏れ日が佇んでいた少年の髪を蒼く輝かせた。
「そうよ。泉の女神があなたを私達に託したの。この世界の切り札として」
ウリューゼアは少年の前に広がる泉に視線を向けた。
「でも、今はあなたも私達の仲間よ。出生がどうであれ、もうこの世界の住人でしょ。
それより、皆が待っているわ。王弟殿下」
「その呼び方はやめてくれって言ってるだろ?
リュウで良いよ。ウリューゼア、君に殿下と言われると変な感じがする」
リュウは心底嫌そうな表情をしてウリューゼアを見た。
「あなたが可笑しなことを言うからでしょう?
国王もみえられたんだから、あなたがいないとダメじゃない」
「兄上が?それで探してくれたんだね。悪かった、すぐ行く」
リュウは迎えに来てくれたウリューゼアの手を引いて、その泉を後にした。
『…どうか、この世界を……』
泉の中央に陽の光に霞んだ人の形をした女性が、少女達を見送っていた。
世代代わりをしたばかりの若い長達は少年と少女を迎え、束の間の休息を楽しんだ。
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