雨の人?
商店街を抜け、あてをなくして絶望の雨に打たれていた。
それでも捜さなきゃ。その一心で前に進んだ。
気付くと目の前には踏み切りがあった。
商店街の近くで普段なら田舎のわりに人通りの多い場所なのだが、段々と強くなる雨で誰もいない。
電車の本数が少ないこの辺では遮断機が閉じることも、少ない。
でも、今日はちょうど踏み切りを渡ろうとしたとき、遮断機は行く手を塞ぐようにして警鐘を鳴らし、閉じていった。
目の前を4両編成の電車が横切っていく。赤いレトロな電車にはほとんど人影はなかった。
程なく遮断機が上がると向こう側に薄い青紫の傘を持って、白いワンピースを着た人が立っている。遮断機が上がっても踏み切りを渡ろうとせず、少し不思議に思ったが近づいて声を掛けた。
『すみませ〜ん』
『はい!?』
紫陽花のような傘から顔をだしたその人は、凛とした顔立ちで目が透き通っていて、とにかく綺麗な人だ。
同い年か少し上くらいだろうか、一瞬だけだったが心を奪われた。
『妹を捜してるんです。6歳でまだ小さい子なんですけど、見ませんでしたか?』
『6歳の子…ごめんなさい。見てないです。』
『そうですか。ありがとうございました。』
急いでその場を立ち去った。昔から女の子は苦手だったが、綺麗な人だったから余計に緊張した。
少しして振り返ったがもう踏み切りにあの人の姿はなかった。
それでも捜さなきゃ。その一心で前に進んだ。
気付くと目の前には踏み切りがあった。
商店街の近くで普段なら田舎のわりに人通りの多い場所なのだが、段々と強くなる雨で誰もいない。
電車の本数が少ないこの辺では遮断機が閉じることも、少ない。
でも、今日はちょうど踏み切りを渡ろうとしたとき、遮断機は行く手を塞ぐようにして警鐘を鳴らし、閉じていった。
目の前を4両編成の電車が横切っていく。赤いレトロな電車にはほとんど人影はなかった。
程なく遮断機が上がると向こう側に薄い青紫の傘を持って、白いワンピースを着た人が立っている。遮断機が上がっても踏み切りを渡ろうとせず、少し不思議に思ったが近づいて声を掛けた。
『すみませ〜ん』
『はい!?』
紫陽花のような傘から顔をだしたその人は、凛とした顔立ちで目が透き通っていて、とにかく綺麗な人だ。
同い年か少し上くらいだろうか、一瞬だけだったが心を奪われた。
『妹を捜してるんです。6歳でまだ小さい子なんですけど、見ませんでしたか?』
『6歳の子…ごめんなさい。見てないです。』
『そうですか。ありがとうございました。』
急いでその場を立ち去った。昔から女の子は苦手だったが、綺麗な人だったから余計に緊張した。
少しして振り返ったがもう踏み切りにあの人の姿はなかった。
感想
感想はありません。