眩しい微笑み13
ぴんぽーん・・・
音が妙に響く。
「はーい?」
中からミサキさんの声が聞こえる。
「どちらさまー?」
と言ってドアを開ける。結構無用心だ。
でも、僕の顔を見た瞬間、ミサキさんは止まった。
そりゃあ・・・
嫌いな奴が来たら止まるだろうな。
ゴメン。
「まあ・・・上がってよ」
「あ、お構いなく。届けものを渡すだけですから」
なるべく、係わり合いたくない。
胸が苦しくなるから。
「・・・っ私は上がってほしいの!」
ミサキさんが少し声を張り上げた。
「で、でも・・・」
中でボコボコにされるのかもしれない。
だけど、断るのも駄目そうだったので、僕は足を進めた。
久々に入るミサキさんの家。
少し家具の配置を変えたらしく、前より部屋が広く感じた。
「あ、ミサキさんこれ。ゼンくんからです」
手紙をミサキさん渡す。
手紙を読むミサキさん。体調は結構良さそうだった。
手紙を読み終えたミサキさんは、満天の笑顔で僕にお礼を言った。
「あ、お茶入れてくるよ」
ミサキさんが立ち上がった。
そして、カーペットに足をとられ、足が宙を浮いて、
僕に倒れてきた。
僕は咄嗟のことで、何もできず、そのままミサキさんと一緒に倒れた。
「いてて・・・」
なんだか体が重い・・・と目を開けた僕は凍り付いた。
ミサキさんが僕の上にたおれている。
すごく、近い。
心臓が跳ね上がった。
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