〜貧乏神〜
いつの間にか僕は人気のない公園に着いていた。
此処…知っているような気がする…。
よく分からないけど、とても落ち着く場所だった。
そして、この公園には大きな桜の木があった。
…ぉ兄ちゃん
頭の中に女の子の声が響いた。でも誰の声だか分からなかった。
お兄ちゃんッて僕の事?…
分からなかった。
そんな桜の木に混じって赤い丸い風船が枝に引っかかっていた。
僕はその赤い風船に惹きつけられるように近付いて、手に取った。
その時。
お兄ちゃん。
女の子の甲高い声が僕の背中に響いた。
えッ?
僕が振り向くとそこには本当に見知らない女の子が僕を見上げていた。
身長は145?ぐらいでオレンジ色のワンピースを着ていて、二つ縛りのおさげをした女の子。
オレンジ色。
それが、その女の子に対して初めて思った印象だった。
お兄ちゃん。それ、あたしのだから返して。
あ、この風船君のなんだ?
うん。
ごめんね、はい。
僕は目と目の位置が合うように、しゃがんで女の子の目を見て言った。
ありがとう。
女の子は照れながら言った。
んッ?…
何か変だ。僕は死んで生きている人には見えないはずなのにこの子には見えている!?
つづく
此処…知っているような気がする…。
よく分からないけど、とても落ち着く場所だった。
そして、この公園には大きな桜の木があった。
…ぉ兄ちゃん
頭の中に女の子の声が響いた。でも誰の声だか分からなかった。
お兄ちゃんッて僕の事?…
分からなかった。
そんな桜の木に混じって赤い丸い風船が枝に引っかかっていた。
僕はその赤い風船に惹きつけられるように近付いて、手に取った。
その時。
お兄ちゃん。
女の子の甲高い声が僕の背中に響いた。
えッ?
僕が振り向くとそこには本当に見知らない女の子が僕を見上げていた。
身長は145?ぐらいでオレンジ色のワンピースを着ていて、二つ縛りのおさげをした女の子。
オレンジ色。
それが、その女の子に対して初めて思った印象だった。
お兄ちゃん。それ、あたしのだから返して。
あ、この風船君のなんだ?
うん。
ごめんね、はい。
僕は目と目の位置が合うように、しゃがんで女の子の目を見て言った。
ありがとう。
女の子は照れながら言った。
んッ?…
何か変だ。僕は死んで生きている人には見えないはずなのにこの子には見えている!?
つづく
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