ナイト・オン・ドラグーン【115】話「神竜族」
中へ入ったその風景。
空気の色が変わるのが分かった。
人間にとっては十分広いが…ドラゴンにとっては狭い通路が続いている。
石造りの内部は不思議な光沢を放っており、明るむを帯びていた。
「なぁ、レグナ…」
「なんだ…?」
無言で複雑に入り組む通路をひたすら飛ぶレグナに声をかける。
「そろそろ話してくれてもいいだろ?ここが一体何なのか…」
「時期に解る…が、その前に後ろにいる小娘をしっかり支えておけ。落ちるからな」
「え…?リリーナ?」
アインは後ろを振り向く、さっきまで起きていたはずのリリーナが自分の背中に寄り掛かるようにして眠っている。
「人間にはこの場所は耐えられぬのだ」
「人間には…?じゃあ俺は一体…」
この場所は常人には耐えられぬ、と説明するレグナの言葉が止まる。
少しの沈黙の末…
「小僧、お前は”竜人”我々、神竜族の最後の剣なのだ。」
聞き慣れない言葉にアインは困惑する。
「レグナ、お前はさっきから何を言っているんだ?お前は何を知っているんだ?」
問い掛けた時、その言葉を無視するようにレグナは飛ぶのを止めた。
目の前にはレグナの二倍あろう巨大な水晶が浮遊していた。
そして。着いた、とレグナはつぶやく。
「なんだ?このクリスタルは…」
”世界終わる時、則ち始まりを意味する…”
突然、無機質なここにいる誰でもない声が響く。
「レグナ!これは…」
「神竜族の言葉だ、心を静めて聞くのだ」
そして”声”は続く…
”我々神竜族、そして愚かなる想像者の戦が始まった。”
”一つの世界を奪い合い我々は愚かなる者から勝利を受けん。だが…”
無機質な声が言葉を切った瞬間、アインの目の前が草原の風景へと変わった。
”愚かなる者、死し封印されてなお新たな生命を想像する。それが人間”
「どうゆうことだよ…」
その風景の草原では、衣類は一切纏わない人間達の姿があった。
そして、空から攻め来る同等の数の竜と応戦していた。
「全ては真実なのだ…小僧。」
”声”は続く。
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