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薔薇のように 〜story of HANA〜

[464]  るぅ  2006-03-04投稿
藍沢 華
25歳
容姿淡麗
鼻目秀麗
有名大学首席卒業
超一流企業就職・・・
全て完璧な彼女に足りないもの―\r

それは、恋だった。


「ねぇ、モデルに興味無い?」
聞き慣れた言葉に、華は嘆息しながら振り向いた。中年男性が名刺を手にニコニコ笑っている。
「スタイル良いねぇ!もしかしてもうどこかの事務所に入ってる?うちの方が待遇良いよ〜。」
「結構です。」
あっさり言いはなち、華はくるりときびすを返した。ゆるくカールした黒髪がふわりと揺れる。その髪に誘われる様に、10Mに一人の割合で様々な男が声をかけてくる。
だから、華は街を歩くのが大嫌いだった。
どんなに露出を抑えても、むやみに高い身長が、やたらと長い手足が、どうしても目立ってしまう。
しかも律儀で生真面目な性格上、彼女は声をかけられると無視ができないのだ。
というわけで、目的地のカフェへ着く頃には彼女の機嫌は最悪だった。
「華〜こっちこっちぃ!」
笑顔で手招く3人の友人の元へ足早に駆け寄ると、空いた席に座り込み長い溜め息を着いた。
「もう。だからこんなとこで待ち合わせるのは嫌だったのよ。」
「なぁに〜またナンパの嵐?適当にあしらえば良いのよ。」
真っ昼間でも一目でお水系とわかる派手なスタイルの麗子が、鏡を見ながら言ってくる。「でも華の場合はモデルの勧誘のが多いんちゃう?いっそほんまになってもーたらえぇやん!」
上京して7年もたつのにまったく大阪弁が抜けない綾が大きな声で笑った。
「綾、声が大きい。だいたい本当のモデル事務所が私なんかスカウトするわけないじゃない。どうせいかがわしい勧誘よ。あ、ホットココアで。」
注文を済ましてから華がコートをぬぐ。黒いタートルネックにタイトスカートと言うコンサバな服装だが、シンプルゆえにそのスタイルの良さが際立っていた。
「何ですぐそゆ事言うの〜?華は綺麗でカッコイイんだからもっと自信持ちなよぉ。」
可愛い声で励ましてくる優香を見て、華は更に深く溜め息をついた。小さい体、大きくウルンだ瞳、柔らかい雰囲気・・全てが自分に無いもので羨ましい。
「私も優香みたいだったらなぁ。」
小さく呟く。華は自分のモデル並の体型も整いすぎている顔立ちも心底嫌いだった。ついでに言えば学歴や一流企業と言う肩書きにも何一つ魅力を感じない。彼女は自分がどれだけ恵まれているかまったく理解していないのだ。

感想

  • 341: |(-_-)| [2011-01-16]

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