携帯小説!(PC版)

トップページ >> その他 >> 鳴かず

鳴かず

[311]  ruche  2007-07-01投稿
あの頃は、どうしてと思うことばかり。

「あきちゃんさぁ最近皆とご飯来ないけど、何で?」
誠吾はいつもストレートだなぁ。
「うーん。なんか疲れ溜まってるのかも…ごめん。」
電話越しに皆の会話が薄く届く。僕だって本当はもっと長い時間誠吾といたい。
「いいよっ。あきちゃんが頑張ってんの皆分かってるから。まぁまた今度ねー」
小さくお礼を言って電話を切る。誠吾はいつだってストレート。耳の奥が熱くなる。
どうしてあんなことさらっと言えるかな。隠すのに苦労するんだ…。
誠吾は皆のまとめ役で、ご飯とかカラオケとか、人が集まるとこには必ずいる。彼がいるときっと皆が楽しくなる。
だから、メグちゃんが好きになってもおかしくない。
今日もきっと二人で帰る。並んで歩く姿に、笑顔で手なんか振れないだろう。
おかしくなりそうだ…。
どうしてあの二人なんだろう。どうして僕じゃない。
思うだけ辛い。切った電話を握りしめたままなことに気付き枕元に戻す。日付は変わってるけど、きっと皆はまだ帰らないだろうな。明日も忙しいのに。

あの頃は不安で不満で、どうしてと思うことばかり。
だけど一番強く思っていたのは…
誠吾、僕はどうして君じゃなきゃだめなんだ。

感想

感想はありません。

「 ruche 」の携帯小説

その他の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス