ヤス#88
ヤス#88
「やっちゃん。ウチの養子になる気はないかしら…」
ヤスは驚いた。養子になるという事は、平井の姓を捨てるという事である。そして、泰治と兄弟になるという事だ。
今更なのだが、ヤスの名前を筆者は書き忘れていた。申し訳ない。本名、平井康生。平凡な名前である。今は亡き祖父の森一が命名した。
「母さん。俺、そんな話聞いていないよ」
「うん…泰治には後で話すつもりだったの。ゴメンね。でも、泰治は反対しないでしょう?」
「うん。俺はかまわないけど」
「養子ですか…」
「ええ、実はね…亡くなった純子さんからも、やっちゃんの事を頼まれているのよ。それで、私なりに考えたの。あなた達はもうすぐ旅立って行く身だから、養子になっても一緒に暮らす訳ではないけど…都会にでたら、身元の事とか…色々、煩わしいわよ」
確かにそうだろうと思う。身よりの無い人間を雇ってくれるところは少ないだろう。
「少し、考えさせて頂けますか?」
「勿論よ。今すぐに答えを出す必要は無いわ」
「でも…」
「でも…何?やっちゃん」
「泰治が誕生日は先だから、俺は泰治をお兄様と呼ぶんですかね」
「おう!俺がお兄様だ。弟は言う事を聞くんだぞ!」
「やっちゃん。ウチの養子になる気はないかしら…」
ヤスは驚いた。養子になるという事は、平井の姓を捨てるという事である。そして、泰治と兄弟になるという事だ。
今更なのだが、ヤスの名前を筆者は書き忘れていた。申し訳ない。本名、平井康生。平凡な名前である。今は亡き祖父の森一が命名した。
「母さん。俺、そんな話聞いていないよ」
「うん…泰治には後で話すつもりだったの。ゴメンね。でも、泰治は反対しないでしょう?」
「うん。俺はかまわないけど」
「養子ですか…」
「ええ、実はね…亡くなった純子さんからも、やっちゃんの事を頼まれているのよ。それで、私なりに考えたの。あなた達はもうすぐ旅立って行く身だから、養子になっても一緒に暮らす訳ではないけど…都会にでたら、身元の事とか…色々、煩わしいわよ」
確かにそうだろうと思う。身よりの無い人間を雇ってくれるところは少ないだろう。
「少し、考えさせて頂けますか?」
「勿論よ。今すぐに答えを出す必要は無いわ」
「でも…」
「でも…何?やっちゃん」
「泰治が誕生日は先だから、俺は泰治をお兄様と呼ぶんですかね」
「おう!俺がお兄様だ。弟は言う事を聞くんだぞ!」
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