眩しい微笑み17
彼女の言葉に僕は完全に停止した。
ありえない。
ありえない。
それか聞き間違いだ。
てか、そうであってほしい。
「あ〜、ミサキ・・・さん??」
やっと僕の口から出た声は、なんだかしなびていた。
「好きよ」
しなびた声とは正反対に、ミサキさんはいつもよりしっかりとした声で、僕を真っ直ぐ、見つめた。
いつもみたいに、笑ってかえさなきゃ。
ボケたらつっこまなきゃ。
でも、
この状況は笑えるほど楽なもんじゃなかった。
「少し・・・待ってくれますか?」
長い長い沈黙のあと、やっと僕の口から出た言葉はそれだけだった。
「うん・・・」
そう言ってミサキさんは微笑んだ。
それは、いつもみたいに眩しくなかった。
ミサキさんの家を出たあと、僕はすぐに走り出した。
喉が痛い。カラカラだ。
足も痛い。
体中が痛い。
でも、心のほうが痛い。
走っているとき、いろんな女の子が僕の脳裏を横切った。
僕が今まで好きになって、想いを伝えて、
死なせてしまった人達だ。
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