ナイト・オン・ドラグーン【117】話「偽りの神」
それはまだ、何も知らなかった頃の話。
白く染まる空模様には小さく、触れると冷たいものが降り注ぐ。
深く積もっている白い粉のせいで靴底が歩く度、鈍い音を立てていった。
両手を広げ、紅い瞳の少女は辺り一面の白銀の世界に目を輝かせながら、軽やかに舞った。
そして。先へ、先へと歩んでゆく父親の背中を目指し駆けてゆく。
「…ねぇ、雪だよ。」
白い息を吐きながら、追い付いた父の横を並んで歩く。
「はしゃぐのは程々にしておきなさい。この先の村に着くまでに体力が持たないぞ」
そう言って父は少女の淡いブロンドの髪の頭を撫でた。
「え〜?それじゃあつまんないよ〜」
膨れっ面を見せるようにして少女は大きい声を上げる。
だが父親はただ笑顔でこちらを見続けるため徐々に少女のほうも笑顔へと変わっていった。
「ねえ、次はどこに行くの?」
「そうだな…村を出て女神の搭へ向かう。」
聞き慣れない言葉に少女は首を傾げた。
「お父様…女神の搭…って?」
すると父親は少女の目線まで身を低くくしゃがみ込んだ。
「女神の搭には…邪悪なる者が居座っている、明日父さんは退治しに行かねばならない」
真剣な瞳に少女は少し強張るが、
父親が魔物退治専門の事をしているのは知っていたし、それに父親は世界屈指の魔法使いだという事も知っていた。
”強き力は弱き者の為に”
それが父の口癖だった。
「うん。わかった!マナはいい子で待ってるから!」
「うむ、無事に仕事が済んだらお菓子をたくさん買ってこよう」
「ホントに!?」
夕日が沈む前に二人は村に着き、宿を取った。
父がガノンはマナを寝かしつけると朝日が昇る前に宿を出た。
「偽りの神よ、無に帰るがいい」
ガノンはそびえ立つ女神の搭に向かって言い放つ。
薄暗かったはずの風景が濃い闇に変わる。
一点に闇が集まり、巨大なその姿を現わす。
「我に逆らう者よ、罰を浮けよ。」
巨大な闇が吠える。
「お前を滅して、ジェリンを解放する!!」
白く染まる空模様には小さく、触れると冷たいものが降り注ぐ。
深く積もっている白い粉のせいで靴底が歩く度、鈍い音を立てていった。
両手を広げ、紅い瞳の少女は辺り一面の白銀の世界に目を輝かせながら、軽やかに舞った。
そして。先へ、先へと歩んでゆく父親の背中を目指し駆けてゆく。
「…ねぇ、雪だよ。」
白い息を吐きながら、追い付いた父の横を並んで歩く。
「はしゃぐのは程々にしておきなさい。この先の村に着くまでに体力が持たないぞ」
そう言って父は少女の淡いブロンドの髪の頭を撫でた。
「え〜?それじゃあつまんないよ〜」
膨れっ面を見せるようにして少女は大きい声を上げる。
だが父親はただ笑顔でこちらを見続けるため徐々に少女のほうも笑顔へと変わっていった。
「ねえ、次はどこに行くの?」
「そうだな…村を出て女神の搭へ向かう。」
聞き慣れない言葉に少女は首を傾げた。
「お父様…女神の搭…って?」
すると父親は少女の目線まで身を低くくしゃがみ込んだ。
「女神の搭には…邪悪なる者が居座っている、明日父さんは退治しに行かねばならない」
真剣な瞳に少女は少し強張るが、
父親が魔物退治専門の事をしているのは知っていたし、それに父親は世界屈指の魔法使いだという事も知っていた。
”強き力は弱き者の為に”
それが父の口癖だった。
「うん。わかった!マナはいい子で待ってるから!」
「うむ、無事に仕事が済んだらお菓子をたくさん買ってこよう」
「ホントに!?」
夕日が沈む前に二人は村に着き、宿を取った。
父がガノンはマナを寝かしつけると朝日が昇る前に宿を出た。
「偽りの神よ、無に帰るがいい」
ガノンはそびえ立つ女神の搭に向かって言い放つ。
薄暗かったはずの風景が濃い闇に変わる。
一点に闇が集まり、巨大なその姿を現わす。
「我に逆らう者よ、罰を浮けよ。」
巨大な闇が吠える。
「お前を滅して、ジェリンを解放する!!」
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