紅い女神〜紅い国?〜
「どうしたの?」
あまりに真剣な眼差しを向けられ、ウリューゼアは問い掛けた。
「一つだけご忠告を…」
神官長は改まった口調で続けた。
「その宝剣で傷つけたものはすべてが無に帰すでしょう。それは我らを守ると同時にすべてを消滅させるものでもあるのです。
どうか、お忘れになりませんよう……」
神官長の言いように、どこか緊張をはらんでいたが、ウリューゼアはいつものように微笑を浮かべた。
「何回も聞かされているよ。私自身も消滅させられる宝剣だということもね」
大切そうに抱えて、ウリューゼアは神殿を後にした。
「姫、どうかこの国をお導きください」
神官長はもう聞こえるはずもない者に向かって、祈るように呟いた。
「神官長様……」
マキはそんな神官長の後ろ姿を心配そうに見守るしかできなかった。
紅い国の長が住まう城は赤い色の宝石や石で飾られ、遠くからでもその城は判別できた。
その城の奥で今か今かと妹の帰りを待つ、ウリューゼアに良く似た容姿をした女性がいた。
「リューゼィ、あの子ったら、一体どこへ行ったのやら……」
「……姉様」
そこに宝剣を携えたウリューゼアが現れた。
あまりに真剣な眼差しを向けられ、ウリューゼアは問い掛けた。
「一つだけご忠告を…」
神官長は改まった口調で続けた。
「その宝剣で傷つけたものはすべてが無に帰すでしょう。それは我らを守ると同時にすべてを消滅させるものでもあるのです。
どうか、お忘れになりませんよう……」
神官長の言いように、どこか緊張をはらんでいたが、ウリューゼアはいつものように微笑を浮かべた。
「何回も聞かされているよ。私自身も消滅させられる宝剣だということもね」
大切そうに抱えて、ウリューゼアは神殿を後にした。
「姫、どうかこの国をお導きください」
神官長はもう聞こえるはずもない者に向かって、祈るように呟いた。
「神官長様……」
マキはそんな神官長の後ろ姿を心配そうに見守るしかできなかった。
紅い国の長が住まう城は赤い色の宝石や石で飾られ、遠くからでもその城は判別できた。
その城の奥で今か今かと妹の帰りを待つ、ウリューゼアに良く似た容姿をした女性がいた。
「リューゼィ、あの子ったら、一体どこへ行ったのやら……」
「……姉様」
そこに宝剣を携えたウリューゼアが現れた。
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