東部心霊探偵事務所?
「…ちょっとうちに電話してくる」
まだざわめく写真を握り締めたまま、すっ、と立ち上がると、武藤は昇降口まで歩いていった。
「なにすんのぉ?」 「うん、圭織くんにちょっと速達してもらおうかなって思って。」
「ふーん?なにを?」
「ホーンブック。」
「…むとーさん、もしかしてあれ?」
眉間に皺を寄せる室戸。 「うん、あれね。」 武藤はにっこり返す。
「まじでか!?」
「まじでよ?」
「勘弁してくれ!」
げんなりと言う。アレ、とは広辞苑や、へたすると六法全書2巻分よりも厚みがあってばかに重たい、武藤の西洋魔法本コレクションの一冊のことだ。いまどき珍しいホーンブックで、表紙は紺色で箔押し。かなりの高級品だ。そして重くて枕にするにはちと高すぎるほどの厚みだ。なんでこの厚みで本にしようと思ったのか、不思議でたまらない一品だ。
まだざわめく写真を握り締めたまま、すっ、と立ち上がると、武藤は昇降口まで歩いていった。
「なにすんのぉ?」 「うん、圭織くんにちょっと速達してもらおうかなって思って。」
「ふーん?なにを?」
「ホーンブック。」
「…むとーさん、もしかしてあれ?」
眉間に皺を寄せる室戸。 「うん、あれね。」 武藤はにっこり返す。
「まじでか!?」
「まじでよ?」
「勘弁してくれ!」
げんなりと言う。アレ、とは広辞苑や、へたすると六法全書2巻分よりも厚みがあってばかに重たい、武藤の西洋魔法本コレクションの一冊のことだ。いまどき珍しいホーンブックで、表紙は紺色で箔押し。かなりの高級品だ。そして重くて枕にするにはちと高すぎるほどの厚みだ。なんでこの厚みで本にしようと思ったのか、不思議でたまらない一品だ。
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