ランドセル ・上
あれは いつの事だったか
茨城県の ある住宅街
庭付き一戸建ての家
印象に残っているのは
青い屋根
そして クローゼット
ランドセル
私は まだ中学一年生。
妹は 小学五年生になったばかりだったろうか。
私達は、
父 母 私 そして、妹の
四人家族だった。
父の都合…だったか…
あの家に引越した。
青い屋根の、
当時まだ小さかった私達にとっては壮大な家。
引越し初日のこと…
私と妹は新しい家に興奮していた。
妹ははしゃいで、家の中や外を走り回っていた。もちろん、私も。
中学生ながら、
無邪気に 子供みたいに。
探検家気分で、珍しい物を見つけるたら、
妹『隊長っ!(私)
変なの見つけたよぅ!』
私『了解〜』
と、ふざけあっていた。
私達は、
仲の良い姉妹だった…。
妹『お姉ちゃ〜ん!』
二階へ上がっていた妹が、興奮した…実に嬉しそうに声をかけてきた。
なによ、と返事をして、私が振り向くと、階段を駆け降りてきて息を荒げた妹が、赤いランドセルを大事そうに抱き抱えていた。
私『何よ、それ』
妹『見て分かんないの?お姉ちゃんのバァーカ』
私『分かるわよぉっ!
バカバカ言うな、バカ』
妹『バカ違うもん!
バカはお姉ちゃん!
ラ・ン・ド・セ・ルだよっ!きっと、おばあちゃんが送ってくれたんだよっ〜』
妹のランドセルは傷だらけのボロボロ。
きっと父方の、私達が一番好いているおばあちゃんが、新しい学校で笑われないようにと、先回りして家にランドセルを届けたんだと私は思った。
私『よかったねっ!
んじゃ、おばあちゃんにお礼しなきゃね?』
妹『はぁ〜い』
妹は外に居る両親の所へランドセルを見せに行った。
玄関の方から、
よかったな、おばあちゃんに後で電話しなきゃね と云う両親の声がした。
その夜。
荷物運びでくたくたになり、ソファーに腰掛けていた私に、青ざめた顔の妹が話かけてきた。
私『ちょっ…
何?どうしたの?』
妹『ランドセルから…』
次の妹の言葉に、私は耳を疑った。
妹『手が出てきた…』
見ると妹の首に、
手跡が残っていた。
茨城県の ある住宅街
庭付き一戸建ての家
印象に残っているのは
青い屋根
そして クローゼット
ランドセル
私は まだ中学一年生。
妹は 小学五年生になったばかりだったろうか。
私達は、
父 母 私 そして、妹の
四人家族だった。
父の都合…だったか…
あの家に引越した。
青い屋根の、
当時まだ小さかった私達にとっては壮大な家。
引越し初日のこと…
私と妹は新しい家に興奮していた。
妹ははしゃいで、家の中や外を走り回っていた。もちろん、私も。
中学生ながら、
無邪気に 子供みたいに。
探検家気分で、珍しい物を見つけるたら、
妹『隊長っ!(私)
変なの見つけたよぅ!』
私『了解〜』
と、ふざけあっていた。
私達は、
仲の良い姉妹だった…。
妹『お姉ちゃ〜ん!』
二階へ上がっていた妹が、興奮した…実に嬉しそうに声をかけてきた。
なによ、と返事をして、私が振り向くと、階段を駆け降りてきて息を荒げた妹が、赤いランドセルを大事そうに抱き抱えていた。
私『何よ、それ』
妹『見て分かんないの?お姉ちゃんのバァーカ』
私『分かるわよぉっ!
バカバカ言うな、バカ』
妹『バカ違うもん!
バカはお姉ちゃん!
ラ・ン・ド・セ・ルだよっ!きっと、おばあちゃんが送ってくれたんだよっ〜』
妹のランドセルは傷だらけのボロボロ。
きっと父方の、私達が一番好いているおばあちゃんが、新しい学校で笑われないようにと、先回りして家にランドセルを届けたんだと私は思った。
私『よかったねっ!
んじゃ、おばあちゃんにお礼しなきゃね?』
妹『はぁ〜い』
妹は外に居る両親の所へランドセルを見せに行った。
玄関の方から、
よかったな、おばあちゃんに後で電話しなきゃね と云う両親の声がした。
その夜。
荷物運びでくたくたになり、ソファーに腰掛けていた私に、青ざめた顔の妹が話かけてきた。
私『ちょっ…
何?どうしたの?』
妹『ランドセルから…』
次の妹の言葉に、私は耳を疑った。
妹『手が出てきた…』
見ると妹の首に、
手跡が残っていた。
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