携帯小説!(PC版)

TTE7

[541]  2007-07-07投稿
修行僧…
そんな印象だった。
鋭い眼光
大きな体躯
…あの日、僕はこの人に魅せられた。

「何をしている…」
静かで重い口調…

「こ…この人が入部てくれるんです、部長。」
結城くんは虎に睨まれた兎の様だった。

「ほぅ、そんな年老いた輩が新入部員か…」
酷い言われようだ。

「で…でも、即戦力になりますよ!」
必死の主張。
…というか、僕はそんなに強くないけど…

「三年では、使い者にならん。このまま引退したら、卓球部は潰れる。"先"を考えろ。」
鋭い口調だった。

「"先"なんてどうでもいいです。僕は部長達と勝ちたいんです!」
結城くんの額からは汗が滴っていた。

不釣り合いな対峙
圧倒的な存在感の差

「ふん、珍しいな…オマエがそんなに必死になるなんてな。まぁ、いいだろう。ただし、テストに通ったらだがな…」
"部長"は僕の方に向き直った。
「オレは御堂 千景だ。本当に入部するつもりか。」

…頷く
のにこんなに覚悟を要したことはない。「入部するよ。そのために来たんだから。」
妙に素直になれた。そう…僕はただ卓球がしたかった。

「ふん、ならテストだ。今からここで…1000回玉つきをしてもらう。」

拍子抜けだった。元テニス部員ができないはずがない。
…しかし、彼は付け加えた。


「ただし片足でな」

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