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航宙機動部隊第三章・24

[467]  まっかつ  2007-07-08投稿
『それでは、パレオス星邦星民会議々長・兼・元首代行職ペアリーノ=グイッチャルディーニ氏に対する弾劾及び解任決議案への賛否投票をお願い致します』
鳴り止まない議員達のブーイングの大合唱を浴び続けながら、グイッチャルディーニ氏は自ら己を裁断する呼び掛けをしなければならなかった。
相変わらず騒音が静まる気配を見せない中、それでも議員達は低い衝立で仕切られたそれぞれの席で、備え付きの端末を操作して、意志を示した。
各自の思惑を載せながら。
電子投票自体はあっけなく終了した。
国と指導者の行く末と命運がかかった結果が、演檀背後のダイオード式掲示板に映るまで、物の五分とかからなかった。

【本日の出席者三0七名 ・ 議長解任に賛成一一四名 ・ 解任反対一一八名 ・ 保留(棄権)七五名】
出された数値が、新たな喧騒に満ちた不協和音を沸き起こし、どこからか『いかさまだ!』との声が上がり、それを皮切りに大勢が不満をぶちまけ、堂内はまたしても荒れに荒れた。
『我が星邦憲法第三九条・星民会議運用規約第八条によって、私ペアリーノ=グイッチャルディーニが、議員定数六割以上の出席者による多数決をもちまして、みなさまの信任の下、政権首班継続と相なりました。改めてみなさまの叡知ある御賛同に感謝すると共に、これからもみなさまと力を合わせて、我が祖国・同胞諸兄に科せられたこの難局を乗り切るべく、紛骨砕身の覚悟で臨んで参る所存でございます―それでは本日の緊急特別議会は、これにて終了と致します。参加議員の方々はお疲れ様でした』
怒り狂うままに議場中央の演檀へ、どっと押し寄せる反対者達が、その前に立ち塞かったSPの列に食い止められ、波打ちながら激しいぶつかり合いを展開するのを眼下に認めながら、厳かながらも恭しく、空虚さ茶番さまみれの宣言を終えた議長は、見る者なき議席の列に深々と一礼だけ残して、左右をやはりSPに守られながら、議場を後にした。

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