たった一つの真実 13
『夏 13』
その日は宏介の進めで家には帰らなかった。
泊まった、と云うより食事する事も寝る事も忘れ一晩中 どうでもいい話しを夢中でしていた。
朝になり、また僕の体に異変が起きた。
今度は すごく体が怠くなり とても喉が渇く。
「宏介さん 何だか体がだるくって」
さっきまで輝いてたものがいつもより重く見えうっとうしい。
「はじめ この薬は そういう薬なんや」
宏介の声でさえ 重く聞こえる。
「宏介さん もう一つ薬を下さい。」
僕は、もう一度 あの今までに味わった事のない快感を味わいたかった。
「はじめ 今日はもうアカン」
宏介の鋭い眼を見ると 僕はそれ以上は 何も言えなくなった。
宏介は 誰にもこの事は言わないと 僕に約束させると少しだけ秘密を教えてくれた。
この薬は売り物である事
この時 僕は今までの宏介の金回りのよさや、取り巻く人達を思いだし 宏介は ひょっとしてドラッグの売人ではないかと さえない頭で考えていた。
でも どうでもよかった。これはドラッグのせいではなく 宏介が売人で世の中で云う犯罪者でも、僕の中では 宏介は宏介であり宏介なんだ。
そう、そんな事 どうでもよかった。
それからの僕は、たまに宏介から少し小さい薬を貰い飲んだ。
薬が効いてる時は周りの物が輝いてた。
僕は宏介と、確かに輝く時間を手にしたんだ。
「はじめ、ええか こう云う事をしていると 警察に捕まると云う事をちゃんと考えていないとアカン。」
宏介は 真剣な顔で言った事がある。
「捕まるのは一人でいい。二人とも捕まるのはアホのアホや。いいか何かあったら俺が グッドサインを出す。そしたら はじめ逃げろ。いいか、はじめ、ゆっくりと歩いて知らぬ顔で逃げろるんや」
「じゃあ、宏介さんも僕がグッドサインを出したら逃げ下さいね。」
宏介は、
「警察は俺を捕まえに来るんや」
と、笑いながら言った。
二人の秘密のサインだ。
この時は そんな日が来るとは 本当に夢にも思わなかった。
僕も少しずつ痩せてきた。仕事にも行かなくなり、家に居る時間より宏介の部屋にいる時間長くなっていた。
その日は宏介の進めで家には帰らなかった。
泊まった、と云うより食事する事も寝る事も忘れ一晩中 どうでもいい話しを夢中でしていた。
朝になり、また僕の体に異変が起きた。
今度は すごく体が怠くなり とても喉が渇く。
「宏介さん 何だか体がだるくって」
さっきまで輝いてたものがいつもより重く見えうっとうしい。
「はじめ この薬は そういう薬なんや」
宏介の声でさえ 重く聞こえる。
「宏介さん もう一つ薬を下さい。」
僕は、もう一度 あの今までに味わった事のない快感を味わいたかった。
「はじめ 今日はもうアカン」
宏介の鋭い眼を見ると 僕はそれ以上は 何も言えなくなった。
宏介は 誰にもこの事は言わないと 僕に約束させると少しだけ秘密を教えてくれた。
この薬は売り物である事
この時 僕は今までの宏介の金回りのよさや、取り巻く人達を思いだし 宏介は ひょっとしてドラッグの売人ではないかと さえない頭で考えていた。
でも どうでもよかった。これはドラッグのせいではなく 宏介が売人で世の中で云う犯罪者でも、僕の中では 宏介は宏介であり宏介なんだ。
そう、そんな事 どうでもよかった。
それからの僕は、たまに宏介から少し小さい薬を貰い飲んだ。
薬が効いてる時は周りの物が輝いてた。
僕は宏介と、確かに輝く時間を手にしたんだ。
「はじめ、ええか こう云う事をしていると 警察に捕まると云う事をちゃんと考えていないとアカン。」
宏介は 真剣な顔で言った事がある。
「捕まるのは一人でいい。二人とも捕まるのはアホのアホや。いいか何かあったら俺が グッドサインを出す。そしたら はじめ逃げろ。いいか、はじめ、ゆっくりと歩いて知らぬ顔で逃げろるんや」
「じゃあ、宏介さんも僕がグッドサインを出したら逃げ下さいね。」
宏介は、
「警察は俺を捕まえに来るんや」
と、笑いながら言った。
二人の秘密のサインだ。
この時は そんな日が来るとは 本当に夢にも思わなかった。
僕も少しずつ痩せてきた。仕事にも行かなくなり、家に居る時間より宏介の部屋にいる時間長くなっていた。
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