紅い女神〜紅い国?〜
「姉様、あちらで皆に会って来たんですよ。私の部屋で話しましょう」
ウリューゼアはエリシアを先に自室へ行かせた。
男が城の中庭で楽しそうな女達の声を聞いた。
「女が長だと、あいつが宝剣を継がなければ、あれは俺のものだったはずなんだ」
男は赤い髪をした少女を睨みつけ、呟いた。
「…構うな。私を憎んでいる事で姉様に危害がなければ、放っておいてかまわない」
ウリューゼアは姿の見えない者にそう告げた。
「でも、まだあなたがたにやられるわけにはいかないのですよ。従兄弟殿」
ウリューゼアは一人呟くと、何事もなかったように自室へ向かったのだった。
男はそのやり取りなど知らずに城を後にした。
その日の夕暮れ、酒場に男は飲んだくれていた。
「こんな所で飲んだくれていたのか。良い身分だな。従姉妹はこの国を治めているというのに…」
男の前に見知らぬフードを目深に被った男が立っていた。
「お前に何がわかると言うんだ」
フードの男の顔は暗い灯りの下では良く見えなかった。
「わからないな。貴様のような奴の事など。
負け犬の遠吠えなど、聞こえん」
フードの男は嘲笑った。
「…俺が負け犬だと!」
ウリューゼアはエリシアを先に自室へ行かせた。
男が城の中庭で楽しそうな女達の声を聞いた。
「女が長だと、あいつが宝剣を継がなければ、あれは俺のものだったはずなんだ」
男は赤い髪をした少女を睨みつけ、呟いた。
「…構うな。私を憎んでいる事で姉様に危害がなければ、放っておいてかまわない」
ウリューゼアは姿の見えない者にそう告げた。
「でも、まだあなたがたにやられるわけにはいかないのですよ。従兄弟殿」
ウリューゼアは一人呟くと、何事もなかったように自室へ向かったのだった。
男はそのやり取りなど知らずに城を後にした。
その日の夕暮れ、酒場に男は飲んだくれていた。
「こんな所で飲んだくれていたのか。良い身分だな。従姉妹はこの国を治めているというのに…」
男の前に見知らぬフードを目深に被った男が立っていた。
「お前に何がわかると言うんだ」
フードの男の顔は暗い灯りの下では良く見えなかった。
「わからないな。貴様のような奴の事など。
負け犬の遠吠えなど、聞こえん」
フードの男は嘲笑った。
「…俺が負け犬だと!」
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