空色ナツカゼ
水溜まりは青い空を写す。黒いアスファルトに咲く、つかの間の儚い華。もうあの大好きな光景はない。私は貴方を失った後、色も失った。つまり、私の目は、モノクロテレビ。
2年前の今日、確かに私は貴方と居た。他愛もない話に花咲かせ、学校から帰っていた。もうすぐ別れ道。ふと彼は言う。「もし、俺が死んだらどうする?」「いきなり、何?」ふざけているかと思って彼を見る。「ごめん、ごめん。冗談だよ。じゃぁ、また明日な。」私の頭をポンポンとなで、彼は自分の家路を進んで行った。
何となく心配で私は彼を追いかける。彼のワイシャツを掴んで、息絶え絶えに聞く。「どうしてあんな事聞いたの?まさか本当に死なないよね?」彼は、何か云いたそうに、哀しい表情を浮かべた。「ねぇ、どうして黙ってるの?死なないんでしょ?なんか言ってよっ……」その瞬間、彼の体が透明に透けて向こう側が見えた。私は後ずさる。
「ごめんね。もう限界みたいだ。俺はね、もう20年前に死んでいるんだ。」
2年前の今日、確かに私は貴方と居た。他愛もない話に花咲かせ、学校から帰っていた。もうすぐ別れ道。ふと彼は言う。「もし、俺が死んだらどうする?」「いきなり、何?」ふざけているかと思って彼を見る。「ごめん、ごめん。冗談だよ。じゃぁ、また明日な。」私の頭をポンポンとなで、彼は自分の家路を進んで行った。
何となく心配で私は彼を追いかける。彼のワイシャツを掴んで、息絶え絶えに聞く。「どうしてあんな事聞いたの?まさか本当に死なないよね?」彼は、何か云いたそうに、哀しい表情を浮かべた。「ねぇ、どうして黙ってるの?死なないんでしょ?なんか言ってよっ……」その瞬間、彼の体が透明に透けて向こう側が見えた。私は後ずさる。
「ごめんね。もう限界みたいだ。俺はね、もう20年前に死んでいるんだ。」
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