危険からの逃れ方
俺の名は片桐篤。
突然ではあるがピンチである。
「ゆ、由良先輩、待って!話し合おう!ってかなんでいきなり機嫌悪いんですか!」
夏休みが明けて、学校に来てみたなら、本当に突然に、宇崎由良という一年上の先輩にど突かれた。
最近はおとなしかったと言うのに。
むしろ、なんか珍しくしおらしかったのに。
「別に、これは八つ当たりな訳じゃないのよ」
由良先輩はそれはそれは端正な顔を凶悪に歪めてみせる。可愛らしい造りのせいでいまいち迫力がない、というか下手すると惚れかねないが。
「別にメンテとかは関係なーい!」
由良先輩、飛び上がってドロップキック。
俺はそのまま立っていればスカートの中が見れたが、その代償が火葬場送りでは割に合わない。
当然必死に避けた。
「避けんな片桐!おとなしく殴られろ!」
今蹴りましたよね?
「無茶言わんでください!なんすか今の骨砕かれそうな飛び蹴りは!」
というか俺は何かした覚えがない。
最後に会ったのだって夏休み後半のあの時以来だ。
八つ当たり確定だな、これは。
「へっへっへっへ」
薄ら笑いを浮かべた由良先輩がゆっくりと向かって来る。
まずい!このままではほのぼので通してきた(?)このシリーズで猟奇事件が起きてしまう!
「落ち着いてください!血を見せる訳にはいかないでしょう!?」
とにかく俺は必死に呼び止める。
「知らねぇなぁ、この際だ、決着を付けようかぁ?」
指をパキパキ言わせながら握り込む。
マジ怖い。
そんな確執は無かったはずだが。
「ひぃっ!」
俺は逃げ出した!
だが回り込まれてしまった!
「どうやって!?」
真っ直ぐな廊下の筈なのだが。
く、こんな時に現われるあの素敵な凶悪フェイスはまだか!?
ヒーローを待つヒロインの気持ちで俺は祈る。
その構図だと由良先輩は魔王だな。うん、違和感無い。
「立ち止まるとは殊勝な心掛けだ、よし片桐、歯食いしばりな!」
がすっ
「ひでぶっ!?」
助けは来ずに結局殴られた。
「おっと、やられ台詞を言えるくらい余裕か。ならもう一発…」
「いやー!?」
逃げた。
朝のHRが始まるまでの三十分。
俺は生きて二学期を迎えられるのだろうか。
ってか完結したんじゃないのかこのシリーズ。
突然ではあるがピンチである。
「ゆ、由良先輩、待って!話し合おう!ってかなんでいきなり機嫌悪いんですか!」
夏休みが明けて、学校に来てみたなら、本当に突然に、宇崎由良という一年上の先輩にど突かれた。
最近はおとなしかったと言うのに。
むしろ、なんか珍しくしおらしかったのに。
「別に、これは八つ当たりな訳じゃないのよ」
由良先輩はそれはそれは端正な顔を凶悪に歪めてみせる。可愛らしい造りのせいでいまいち迫力がない、というか下手すると惚れかねないが。
「別にメンテとかは関係なーい!」
由良先輩、飛び上がってドロップキック。
俺はそのまま立っていればスカートの中が見れたが、その代償が火葬場送りでは割に合わない。
当然必死に避けた。
「避けんな片桐!おとなしく殴られろ!」
今蹴りましたよね?
「無茶言わんでください!なんすか今の骨砕かれそうな飛び蹴りは!」
というか俺は何かした覚えがない。
最後に会ったのだって夏休み後半のあの時以来だ。
八つ当たり確定だな、これは。
「へっへっへっへ」
薄ら笑いを浮かべた由良先輩がゆっくりと向かって来る。
まずい!このままではほのぼので通してきた(?)このシリーズで猟奇事件が起きてしまう!
「落ち着いてください!血を見せる訳にはいかないでしょう!?」
とにかく俺は必死に呼び止める。
「知らねぇなぁ、この際だ、決着を付けようかぁ?」
指をパキパキ言わせながら握り込む。
マジ怖い。
そんな確執は無かったはずだが。
「ひぃっ!」
俺は逃げ出した!
だが回り込まれてしまった!
「どうやって!?」
真っ直ぐな廊下の筈なのだが。
く、こんな時に現われるあの素敵な凶悪フェイスはまだか!?
ヒーローを待つヒロインの気持ちで俺は祈る。
その構図だと由良先輩は魔王だな。うん、違和感無い。
「立ち止まるとは殊勝な心掛けだ、よし片桐、歯食いしばりな!」
がすっ
「ひでぶっ!?」
助けは来ずに結局殴られた。
「おっと、やられ台詞を言えるくらい余裕か。ならもう一発…」
「いやー!?」
逃げた。
朝のHRが始まるまでの三十分。
俺は生きて二学期を迎えられるのだろうか。
ってか完結したんじゃないのかこのシリーズ。
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