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危険からの逃れ方3

[254]  あこん  2007-07-13投稿
階段で出会うのが一番危険な気がする。
まず逃げ場がない。
そして足場が悪い。
詰んだ、という奴だろう。
「うっふっふっふ」
あ、詰んだ。
「ぎゃー!?」
ちょうど上から降りてきた由良先輩と鉢合わせしてしまった。
「なんかここまでやって中途半端なのも良くないと思ってさ、すごい捜しちゃったわよあたし」
ぽんぽんと軽快に階段を降りる由良先輩に、俺はくるりと背を向けて階段を飛んで降りる。
危ないから真似すんな。靭帯切れたりするから。痛いらしいぞ。
「あ!逃げんな!」
「命の危機に逃げ出すのは生物としての本能です!」
やはりここは男女の体力の差。なんとか逃げ切れた。はず。
「…段ボール箱が欲しくなってきた」
由良先輩なら転がってる箱を蹴り飛ばしたりくらいしそうだが。
大きく肩で息をしていると前方から三人組の女子が現われた。
きゃー、と黄色い悲鳴で逃げる。
別に、息が荒いのは興奮した変質者だからじゃないんだけどな。
まぁあの子達に弁明する事はきっともう無理だ。既に俺には露出狂の嫌疑がかけられている筈だし。
とにかく、上に向かおう。
なんとしてもあの察しのよい先輩に会って、保護してもらわねば。
ゆっくりと階段に向かう。
そして一気に上り切ってしまおう。
そう思って一段目に足を乗せると、
「いらっしゃいませー」
死角に隠れてやがりました。
「ひぇっ!」
本気で驚いて変な声が出た。
どこから出たんだ今の。
「おっと逃がすか」
方向転換しようとした俺の足をがっちりと由良先輩は掴む。
あぁ、柔らかい手だ。
「あたしね、走りながら考えてたの。足を持って校内引き摺り回されるのと、階段突き落とされるの、どっちがいい?」
その言葉で瞬間的に意識が現実に戻った。
「どっちもよくない!」
どうやってかはわからんが、由良先輩の拘束から抜け出した俺は段抜かしで階段を上り切る。
スカートの由良先輩はどうしても遅れてしまう。
まだ生き残るチャンスはある!
思い切り走る。
走って、あの人のクラスへ…あの人のクラス?
げ、知らねえ。そういえば。
「うふふふふ、抜け出されたのはちょーっとムカついたぞ?」
語尾を可愛く言う由良先輩が追ってくる。
やべぇ、本気で詰んだかも。

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