危険からの逃れ方4(完?)
やべぇ、マジやべぇ!
体を揺らしながら由良先輩は俺に近付いてくる。
「かーたーぎーりー、なんで、逃げんの?」
最後はちょっと寂しそうに言う。
「おねーさん傷ついちゃうぞ?」
うぐ、可愛い。
だが、ここでフラフラと近付いてみろ。
まずワンツーは確実に食らう。
下手すると階段下へボディスラムされるかもしれん。
「…く」
なんとか由良先輩から視線を外す。
「ねぇねぇ片桐。ちょっとおいでってば」
ゆっくりと、由良先輩が近付いてくる。
俺の体はもう動かない。別に拘束されてるわけでもないのに。
「つーかーまーえーたー」
可愛く言ってるつもりなのだろうが、「え」の辺りから獰猛さが前面に出ている。
さて、制服の襟を掴まれてしまっては逃げ出すのもやや難しい。
あぁ、死んだな、俺。
「じゃ、ちょっと寝そべってもらおうか、片桐?」
あぁ、足持って引き摺り回すとか言ってましたね。段差は勘弁してくださいよ?
俺はもう諦めの境地に辿り着いてしまったようだ。
抵抗も無く仰向けになった。
由良先輩が俺を見下ろしている。別に見下している訳では無い。
ちなみに悦びも無い。俺はMでは無い筈だ。悦んでたまるか。
「えーと、何に対して怒ってたか忘れたけど、とりあえず八つ当たり開始ー♪」
「待った!そんな忘れるほどの理由で俺はこんな目に!?」
流石にその言葉には反論した。
ちなみに両足は既に由良先輩に掴まれている。
ってかやっぱり八つ当たりか。
「いや、あたしの怒りのはけ口はもう片桐しかいないな、と思って」
「迷惑な!」
そんな風に廊下で騒いでいたからだろう。
すぐそこの教室の扉が開かれた。
「由良…と片桐。もうチャイム鳴るぞ。教室入れ」
出てきたのは誰もが怯む凶悪人相、田辺和真先輩。
捜してる人があっさり見つかってしまった。
「はーい」
由良先輩は素直に俺の足を放して自分の教室に向かった。
「片桐、遅刻しちゃうよ。早く戻んないと」
「そうだぞ、由良と遊ぶのもいいが程々にしてだな」
二人は息ぴったりに俺に言う。
言うだけ言って教室に入っていった。
…いや、結果的に助かったからいいんだけどね?
なんかこう、終わり方が呆気なさすぎはしないか?
なんかされた方が盛り上がるんじゃねーかという恐ろしい考えは振り払った。
体を揺らしながら由良先輩は俺に近付いてくる。
「かーたーぎーりー、なんで、逃げんの?」
最後はちょっと寂しそうに言う。
「おねーさん傷ついちゃうぞ?」
うぐ、可愛い。
だが、ここでフラフラと近付いてみろ。
まずワンツーは確実に食らう。
下手すると階段下へボディスラムされるかもしれん。
「…く」
なんとか由良先輩から視線を外す。
「ねぇねぇ片桐。ちょっとおいでってば」
ゆっくりと、由良先輩が近付いてくる。
俺の体はもう動かない。別に拘束されてるわけでもないのに。
「つーかーまーえーたー」
可愛く言ってるつもりなのだろうが、「え」の辺りから獰猛さが前面に出ている。
さて、制服の襟を掴まれてしまっては逃げ出すのもやや難しい。
あぁ、死んだな、俺。
「じゃ、ちょっと寝そべってもらおうか、片桐?」
あぁ、足持って引き摺り回すとか言ってましたね。段差は勘弁してくださいよ?
俺はもう諦めの境地に辿り着いてしまったようだ。
抵抗も無く仰向けになった。
由良先輩が俺を見下ろしている。別に見下している訳では無い。
ちなみに悦びも無い。俺はMでは無い筈だ。悦んでたまるか。
「えーと、何に対して怒ってたか忘れたけど、とりあえず八つ当たり開始ー♪」
「待った!そんな忘れるほどの理由で俺はこんな目に!?」
流石にその言葉には反論した。
ちなみに両足は既に由良先輩に掴まれている。
ってかやっぱり八つ当たりか。
「いや、あたしの怒りのはけ口はもう片桐しかいないな、と思って」
「迷惑な!」
そんな風に廊下で騒いでいたからだろう。
すぐそこの教室の扉が開かれた。
「由良…と片桐。もうチャイム鳴るぞ。教室入れ」
出てきたのは誰もが怯む凶悪人相、田辺和真先輩。
捜してる人があっさり見つかってしまった。
「はーい」
由良先輩は素直に俺の足を放して自分の教室に向かった。
「片桐、遅刻しちゃうよ。早く戻んないと」
「そうだぞ、由良と遊ぶのもいいが程々にしてだな」
二人は息ぴったりに俺に言う。
言うだけ言って教室に入っていった。
…いや、結果的に助かったからいいんだけどね?
なんかこう、終わり方が呆気なさすぎはしないか?
なんかされた方が盛り上がるんじゃねーかという恐ろしい考えは振り払った。
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