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彼女を待っている?

[242]  がき  2007-07-13投稿
私が暇つぶしにセンター問い合わせをして寂しさにうちひしがれていると、ようやく彼女が現れた。

同様に歩いて来る学生やサラリーマンに混じって、彼女の姿は一際輝いて見えた。

天使が天国に帰る電車に乗る為に切符を買って改札を抜けて来たのかと思われたが、天使が電車に乗るわけないとすぐさま思い直した。

「おはよう」

彼女の声は澄んでいて美しい。

言葉遣いもどこぞの女子高生のように乱暴ではないし、どこぞのなんちゃってセレブのように気取ってもいない。

至ってナチュラルである。

私はそのナチュラルさがいたく気に入っていて、彼女の「おはよう」なしには私の朝は始まらないなどと密かに心の中で呟いたり呟かなかったりした。

「おはよう」

私は出来るだけ素っ気ない感じで返事をした。

が、彼女は聞いていないらしかった。

見ると携帯電話を開いて何やら熱心にボタンをポチポチやっている。

「メール?」

私が訊くと、彼女は「うん」とだけ答えて、やはりポチポチやっている。

やがて気が済んだのか、携帯電話を鞄にしまうと、「同窓会の計画が全然立たないの」と溜め息をついた。

溜め息一つにも清潔な色っぽさが感じられる。

「私の代わりに幹事やってよ」

「嫌だよ」

「私は忙しいの」

「俺も忙しい」

「嘘。全然学校行ってないくせに」

「行ってるよ。俺はこう見えて、成績優秀なんだ」

「また嘘」

彼女は同窓会の幹事を担っている。

元々は他の女の子の役目だったのだが、わけあって彼女に代わったらしい。

同窓会は確か私が小学六年生の頃にクラス全員で企画したものであり、私も参加することになっている。

私の学校は児童数が少なかった為、クラスが一つしかなく、当然六年間クラス替えは無かった。

彼女は私の同級生であり、クラスメートであった。

つまり、所謂「幼なじみ」なのである。

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