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依存? 〜ホムラ〜

[326]  はじめ  2007-07-13投稿
「カヨ…?」

気付けば僕は風呂場にいた。
また記憶がなかったようだった。
慌てて風呂場を出ると変化に気付いた。

「カヨ?」

僕はベッドに横になるカヨに近づいた。

「…久遠?」

「えっ?」

僕は何が何だかわからなかった。

「久遠って誰?ホムラだよ?」

「ホムラ…」

カヨは間違いなく誰か別の人の名前を呼んだ。
それが誰なのか僕にはわからなかった。

「あ、あのさぁ俺いつ髪の色変えた?髭も生やしてるし…」

「…覚えてない…の?」

「まったく…」

鏡を見て髪型も変わっていた。

「この服…」

僕が普段着ている服と違って、体のラインが見えるような服が脱ぎ捨ててあった。

「…あ、なんかイメチェンするっていって買ってたよ」

カヨが少し慌てた様子で言った。

「…そっかぁ」

カヨの顔が少し悲しそうに見えた。

「…腹減らない?」

僕はカヨにそう問いかけると、笑って頷いた。

なんだか久々に見たような気がした。
急いで準備して、二人で部屋を出た。

繋いだ手が温かくて新鮮だった。

「…俺…最近疲れてるのかな?」

「なんで?」

「いやぁ…数日のこと覚えてないからさぁ」

「…疲れてるんだよ…たぶん」

カヨはそう言った。

「なんかカヨ綺麗になったね」

「そう?」

「うん…それに何か寂しそうな気がするけど…俺そんなにほっといちゃったかな?」

「そんなことなかったよ」

僕はカヨの言葉で少し安心した。
けれど引っかかるのが“久遠”と発した言葉。

カヨは誰か別の人といたのだろうか…
そんな疑いが微かによぎった。

そんなことよりも、今の幸せを壊したくなかった。
ただ…それだけだった…

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