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クロスリング

[153]  ぱーる  2007-07-18投稿
ポケットを探ると携帯が入っていた。

赤い携帯。間違いなく自分の。


携帯に表示されている時間…

16時45分

状況を見る限り今は朝のはずだが、公園で異変が起きた時間のままだった。


誰かに連絡して、今の時間きいてみようか。

そう思い、嫌な予感がする。


…まさか、繋がらないなんてことは…



ガチャ

部屋の扉が開いた。

ひとまず携帯を側におく。

入ってきたのはさっきの女と、見知らぬ老婆だった。

「…んん…それで…なにが…どうしたんじゃ…?」



なにがって…なにが?

白髪まじりの髪。腰は大分曲がっている。

…ボケてるんだろうか。

おれはどう反応すればいいか解らず、固まってしまう。


「レンの様子が変なのよ。私の事が解らないの。だからおばあちゃん呼んで来たんじゃない」


「ああ…そうじゃな。ふむ、ふむ…どれどれ…」


女の説明で、老婆は納得したようだった(思い出した、ではない。納得)

絶対ここに来る前に、女から説明を受けているのに、覚えていないという予想をするが実に容易い…



老婆はゆっくりおれに近づき、しばしの間、おれの顔を見続けた。

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