Person of THE fate〜運命の人〜33(SAORI)
「さおりん…?」
目の前の彼が、確かめるように問い掛けて来た。
私は小さく頷く。
初めて聞くこうちゃんの声。高くも低くもなく、胸が鳴る。
まさか、こんな形で会う事になるとは…。
向こうもそう思ってると思う。
私は緊張や罪悪感やらで、上手く喋る事が出来なくて黙ってた。
こうちゃんも、何か考えてるんだろうか?
何も言わない。
あのまま待ってたら来てくれると思ってた。
なのに、さっきはこうちゃんから逃げるように電車に乗ったんだ。
今更、合わせる顔なんかないって思ったから―。
でも、会いたかった。
声を聞いてみたかった。
私、何てズルイんだろう?
「もう我慢すんの辞めた…」
先に口を開いたのはこうちゃんだった。
「ずっと諦めようと思ってた。でも無理な事に気付いた。さおりんに彼氏がいたって、何だって…」
こうちゃんの強い眼差し。私はドキドキして、でも苦しくて…真っすぐに見る事が出来ない。
「俺が、好きなのは…
さおりんなんだ!」
彼の息が白く消える。
ずっと欲しかった言葉、今やっと、手に入った。
泣かないって決めてたのに。無理だよ…。
私の頬をポロポロと流れ落ちた。
目の前の彼が、確かめるように問い掛けて来た。
私は小さく頷く。
初めて聞くこうちゃんの声。高くも低くもなく、胸が鳴る。
まさか、こんな形で会う事になるとは…。
向こうもそう思ってると思う。
私は緊張や罪悪感やらで、上手く喋る事が出来なくて黙ってた。
こうちゃんも、何か考えてるんだろうか?
何も言わない。
あのまま待ってたら来てくれると思ってた。
なのに、さっきはこうちゃんから逃げるように電車に乗ったんだ。
今更、合わせる顔なんかないって思ったから―。
でも、会いたかった。
声を聞いてみたかった。
私、何てズルイんだろう?
「もう我慢すんの辞めた…」
先に口を開いたのはこうちゃんだった。
「ずっと諦めようと思ってた。でも無理な事に気付いた。さおりんに彼氏がいたって、何だって…」
こうちゃんの強い眼差し。私はドキドキして、でも苦しくて…真っすぐに見る事が出来ない。
「俺が、好きなのは…
さおりんなんだ!」
彼の息が白く消える。
ずっと欲しかった言葉、今やっと、手に入った。
泣かないって決めてたのに。無理だよ…。
私の頬をポロポロと流れ落ちた。
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