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LASTSUMMER#08 『朝山中の4番打者』

[496]  SETTARMEN  2007-07-22投稿
【2回裏】


打席にはいかにも4番といった体格の中西剛介が立った。

『プレイ!』

主審の手が上がる。

注目の初球。


ズバッ!!

『ストラーイク!』

初球からど真ん中をエース天堂寺が射抜いた。

続く二球目。

ブン!!

『ストライクツー!!』

物凄いスイングで中西は天堂寺のフォークに空振りした。


このスイングには正直俺もビビった…

追い込んだ天堂寺、不破バッテリーはカーブを選択した。

これが甘く入った…

やや内側から真ん中に入るカーブを中西は捉らえた!!

カキーン!!



!!!!!


バシッ!!!!



『アウト!』


捕ったのは俺だった…


俺の頭上をライナーで越えそうな打球を精一杯ジャンプして手を伸ばした。


すると、鋭い打球が俺のグラブに入ったのがわかった。



すごく手がしびれる…

周りからは
『ショートいいね〜』

などといった歓声が上がる。


『ワンナウト〜』

キャッチャーのカズマが叫んだ。


タク『コウやるじゃん♪もう一丁くるぜ!』

と、タクが言ったので
コウ『オッケー。いくらでもこいよ』

なんて調子に乗って見せた。


続く5番は相良。


相良は長身である最大の利点、その長い手を伸ばしカウント1-1から外のボール球のカーブをライト前に運んだ。


1ナウト1塁となり、天堂寺が若干打たれたことを気にしたようだったが、気のせいだった。

その後は6、7番を連続三振にとり2回裏がすぐに終わった。

やはりエースは違う。1、2回と素晴らしい立ち上がりを見せた。


【3回表】


ベンチに戻ると俺はヘルメットを付け打席に向かった。


練習試合の初打席があろうことか、好投手南とは………↓↓


でも俺は絶対にレギュラーを勝ち取るために強い気持ちで左打席に向かった。


投球練習をする南の球は間近で見てもやっぱり速かった…


準備が整い、俺は打席に入った。


『プレイ!!』


審判の手が上がる。


こうして、遂に俺と南の初対決が始まった。

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