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MURASAME

[564]  あいじ  2007-07-23投稿
平将門?

季節は夏を迎え、夜でも帝都東京は蒸し暑く、道ゆく者達も汗を拭っていた。
しかし、そんな猛暑などどこ吹く風と言う感じで往来を歩く男がいた。
氷川竜助だった。
竜助は汗もかかずに涼しそうに渋谷駅へ向かっていた。


ちょうどハチ公前まで来た時だっただろうか。
竜助は奇妙な気配を感じ、振り向いた。おかしなことに普段はサラリーマンや若者たちで賑わっている渋谷駅界隈に誰もいないことだった。車すら通らない。
「…きたか!」
竜助は正面を見据えた。彼の目の前に青い光が現れ、その光は次第に形を成していった。
一人や二人ではない。十数人単位の足音が聞こえる。その音は段々と近づき、竜助の前に姿を現した。
「…これは…!」
竜助は思わず絶句した。それは旧日本軍服を着た男達の姿だった。
「………」
軍服の男達は何も言わず、竜助にむかい発砲した。竜助はそれをかわすと清姫を組み立て、軍人の一人を突いた。
「最近…渋谷界隈の様子がおかしいと聞いて、調査にでたけど…くそ、とんだ貧乏くじだ!」
竜助は刃を回転させ軍人を弾いた。すると後ろに控えていた軍人達が一斉に刀を抜き襲いかかった。竜助は後ろに下がり清姫の刃を踊らせたが、軍人達はその刃を気にもとめず、竜助に切りかかる。
「なんだ…こいつらまさか…」
竜助は一番近い軍人の軍帽を蹴り飛ばした。
「!?」
その軍人達は死体だった。顔は腐り、頭から脳漿をたらし、白い頭蓋骨が頭から覗いていた。

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