ヤス#108
ヤス#108
ヤスは健さんが好きだった。裏表の無い性格は時々トラブルを巻き起こすが、一本気なところはヤスの好むところだった。さっき、健さんが(弟みたいに思っている)と言ったのは本心だろう。身よりの無いヤスには有り難かった。いや、この「香月」が有り難いし、職を世話してくれた泰子にも感謝していた。その泰子が、今度の日曜日に来るという。ヤスは満面の笑顔で客の前に立った。
「いらっしゃいませ。良子さん」
「こんばんは、やっちゃん。今日は何が美味しいかしら?」
「はい。そろそろ良子さんが来られるころかなと思って、車海老を仕入れています」
「まあ!私の好みを覚えていてくれたのね。じゃあ、それを頂戴。それから、アワビもね」
「はい!かしこまりました」
女将が遠くから、ほとほと感心して見ていた。ヤスの記憶力はずば抜けている。客の好みから職業。好きな花まで覚えているのだ。
ヤスがカウンターに立つようになって店の売り上げが上がっているのは隠しようの無い事実だった。ヤスは料理のセンスもずば抜けていた。一度作り方を教えたら次には同じものを作ってくる。才能だけではない。毎日レシピを読んでいる姿も女将は目撃している。
ヤスは健さんが好きだった。裏表の無い性格は時々トラブルを巻き起こすが、一本気なところはヤスの好むところだった。さっき、健さんが(弟みたいに思っている)と言ったのは本心だろう。身よりの無いヤスには有り難かった。いや、この「香月」が有り難いし、職を世話してくれた泰子にも感謝していた。その泰子が、今度の日曜日に来るという。ヤスは満面の笑顔で客の前に立った。
「いらっしゃいませ。良子さん」
「こんばんは、やっちゃん。今日は何が美味しいかしら?」
「はい。そろそろ良子さんが来られるころかなと思って、車海老を仕入れています」
「まあ!私の好みを覚えていてくれたのね。じゃあ、それを頂戴。それから、アワビもね」
「はい!かしこまりました」
女将が遠くから、ほとほと感心して見ていた。ヤスの記憶力はずば抜けている。客の好みから職業。好きな花まで覚えているのだ。
ヤスがカウンターに立つようになって店の売り上げが上がっているのは隠しようの無い事実だった。ヤスは料理のセンスもずば抜けていた。一度作り方を教えたら次には同じものを作ってくる。才能だけではない。毎日レシピを読んでいる姿も女将は目撃している。
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