携帯小説!(PC版)

愛犬カロ

[688]  明智 大河  2007-07-29投稿
 カロは家で飼っている大型犬だ。
 毎朝、俺を起こしに来てくれる。今も、なかなか起きない俺の顔をペロペロなめている。
 でも、眠いからもう一眠りしよう‥
 ‥しまった!もう、九時だ!早く着替えよう。!!俺の手が犬?!てか、全身犬だ!犬になったのか!てことは、カロが俺の中か!まだ俺の体はぐっすり寝てる。
 そうだ、今俺は犬だから殺人罪は適用しない。今の内に、憎々しい担任の石田を噛み殺してしまおう。奴は何かと俺を笑い者にする。周りがウケるなら、平気で俺をバカにする! 
 俺は学校まで一気に走った。目線が低いから、人の足が恐い。
 校門は開いてた。休み時間の職員室に飛び込むと、まっしぐらに担任の石田に飛び付き、首筋を噛み切った。ギャっと短く叫び声をあげただけで、石田は、鮮血を天井まで吹き上げながら、転倒し動かなくなった。
 俺は、大騒ぎの教師達を尻目に、一目散に自宅に逃げ帰った。
 俺の体はまだ寝ている。しまった、どうしたら、元に戻れるのか!このままでは、犬として、処分されることは間違いない。
 そうだ、カロと一緒に布団の中で寝たから、中身が入れ替わったんだ。また、一緒に寝てみよう。
 疲れたから、眠くてしかたがない…
 …電話の呼び出し音で目が覚めた。11時だ!お!人間に戻ってるぞ。落ち着け!全て、カロがやったことだ。
 深呼吸すると、電話にでた。大きな声が聞こえてきた。
  「中村か?担任の石田だ。いつまで寝てるんだ!すぐに来なさい。」それだけで電話は切れた。
 夢だったのか!待てよ、わざと警察が石田の声を真似て、私を試しているのかもしれない。
 とりあえず、登校して、担任の姿を見ないと、何も分からない。
 自転車での登校なのに、汗が吹き出てる。落ち着け、俺はずっと寝てたんだ。
…でも、やっぱり、あれは夢であったほうがいいな。カロと別れずにすむから。

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