その時彼女に?
そして今になってようやくその事実に気づいた。
[梨絵が好き]という事実に…
だから、夏休みも始まったばかりの土曜日に梨絵を学校裏の神社に呼び出したのだ。
「ハァ、ハァ、やっと着いた…えらい?」
近いとはいえ、家から神社までの全力疾走は受験で衰えた体にはかなりキツかった。
息をゆっくりと整えながら梨絵を探した。
神社と言っても、林の中に小さな境内があるだけの所。
昔は梨絵ともよくここで遊んだ。
特にこの林で一番大きな御神木の下で…
そう思い出して御神木の方を見ると、御神木の裏側から手が横に突き出て、こっちにヒラヒラと手を振っている。
俺は御神木の方へと歩いて行った。
感想
感想はありません。